近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:中国めしや竹竹「麻婆焼そば(ミニライス付き)」

2010.08.02 375号 24面
オリジナル麻婆豆腐は、ツルツルと口当たりのよい絹ごし豆腐と粒サンショウの辛みが売り物。これがコシの強い焼き麺と白飯にマッチ

オリジナル麻婆豆腐は、ツルツルと口当たりのよい絹ごし豆腐と粒サンショウの辛みが売り物。これがコシの強い焼き麺と白飯にマッチ

コクと深みを両立

コクと深みを両立

 ご当地焼きそばが活気を見せる中、杜の都・仙台にユニークな焼きそばが現れ、にわかに脚光を浴びている。「中国めしや竹竹(ちくちく)」の「麻婆焼そば」がそれだ。小規模店ながら来店客の約半数が注文する人気ぶりで、開業から3年、麻婆焼そば目当てのリピーターが増え続けている。

 人気の理由は、粒サンショウが効いた四川風の本格味なのだが、実はそれよりも注目すべき売れる仕組みがある。焼きそばらしからぬ大胆な盛り付けとミニライスのセットで、一石二鳥の食べ方を楽しませる演出である。

 すぐに応用できそうな繁盛事例を紹介する。

 ◆営業の概況:会社員と学生の男性が支持

 中国めしや竹竹の立地は仙台駅から約2km。ビジネス街と東北大学キャンパスに挟まれ、客層は会社員と学生が半々、7対3で男性客が多い。

 開業は2007年2月。当初、麻婆焼そばは日販5食ほどだったが、着実にファン層を広げ、いまや日販60食に達する看板料理に台頭。15坪・17席、1日来店客数100~120人という営業規模を踏まえれば、その人気突出ぶりがうかがえよう。

 ◆特徴と調理:セットのミニライスが人気に拍車

 麻婆焼そばは早い話、円形に両面焼きした中華麺に麻婆豆腐をかけたもの。一見、大盛りの麻婆豆腐だが、中に箸を入れると、よく焼けたコシの強い中華麺に突き刺さる。これをほぐして麻婆豆腐とからめて食べるのが一興だ。そして、セット提供されるミニライスが人気に拍車をかけている。

 遠藤康文店主は「麻婆豆腐といえば、やはり白飯でしょう」と語り、「考えようによっては、焼きそば付きの麻婆豆腐定食ですから、ボリューム志向の男性客には最適ですね」と、繁盛の理由を解き明かす。

 皿いっぱいの麻婆豆腐に焼き麺380g(ゆで・焼き)とミニライス200g。しかもミニライスは1回お代わりできるので、まさに「麻婆焼そば」と「麻婆豆腐定食」の2食分だ。料理名だけでは想像できないボリュームと2つの食べ方。この満足感が口コミで広がり、リピーターが急増しているのだ。

 ◆発祥と展開:まかない食から看板料理に

 この麻婆焼そばは、遠藤店主が山形市の中華料理店で働いていた時、まかない食で作っていたもの。

 「その店で、中華麺を円形に両面焼いた『あんかけ焼きそば』が人気だったので、まかない食で麻婆風にアレンジしました」と遠藤店主。「最初、周囲は無関心でしたが、次第に要望が多くなり、習慣性を確信。独立したら絶対に表に出そうと決めていました」と振り返る。

 現在、麻婆焼そばの成功に続き「麻婆つけ麺」と「麻婆担々麺」を追加。麻婆シリーズの拡充により、店の個性をさらに強めようとしている。

 ◆店舗情報

 「中国めしや竹竹(ちくちく)」 所在地=宮城県仙台市青葉区北目町2-22/営業時間=午前11時~午後2時半、5時半~11時、土曜ランチタイムだけ、日・祝定休

 ◆エバラで再現!模擬レシピ

 ●使用食材:「四川風麻婆ソース」 本格感ある濃い茶褐色 コクと深みを両立

 豆板醤の辛みと酸味、甜麺醤の甘みが程よくブレンド。コクと深みの味わいを両立した四川風麻婆ソース。花山椒のピリッとした味と本格感ある濃い茶褐色が特徴。フライパンでからめるだけで、簡単に四川の味が楽しめる。1人前で約25g、本品1本で約45人前。

 規格=ボトル1リットル

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