料理人の愛用食材:「粋餐 石和川」浦上浩店主 庄内浜「藻塩」(塩工房やまいち)

2012.08.06 401号 06面

浦上浩店主

浦上浩店主

 ●素材引き出す控えめな辛さ

 大阪・北新地の「粋餐 石和川」は、創業26年になる割烹料理店。接待での利用の他、昔からの常連客も多く、お客の期待を裏切らない味の提供が使命である。

 同店では、魚料理を主体にしたコースや一品を用意。「素材が一番」という考えから、浦上浩(ゆたか)店主自ら、毎日、市場で鮮魚の目利きを行い、さらに、週数回は明石浦漁港へも出かけて仕入れている。

 そのこだわりの素材を生かす脇役として愛用しているのが、山形県・庄内浜の「藻塩」。造りや天ぷらのつけ塩の他、一品メニューのステーキにも添えている商品だ。「タコやイカなど、塩で甘味が引き出される素材もある。この塩は、辛さが控えめで、造りの味が分かりやすいのが魅力」と、浦上店主。

 藻塩は、古代から製造されている塩で、海水と海藻から抽出する。粒子の粗いベージュ色で、ミネラルを多く含むまろやかな味わいが特徴だ。生産地も幅広く、同店では、以前は新潟産の藻塩を利用していた。しかし、10年ほど前に同商品に出合い、以降の愛用品に。今も、いろいろな商品を試しているが、現時点のベストはこの味という。

 「藻塩は、ワサビとも合う。醤油とも食べ比べながら、楽しんでほしい」。さまざまな素材のうま味を引き出すポイントとして、活用できる調味料である。

 ●商品紹介

 庄内浜「藻塩」 塩工房やまいち(山形県酒田市)

 振り塩やつけ塩に幅広く活用

 山形県・庄内浜の海水に海藻(ホンダワラ)を浸し、平釜でじっくり時間をかけて炊き上げて製造。振り塩やつけ塩など、幅広く利用できる。

 規格=300g

 ●プロフィール

 「粋餐 石和川」店主 浦上浩氏

 うらかみ・ゆたか 1961年兵庫県生まれ。調理師学校卒業後、「神田川」での4年間の修業を経て、アメリカ・ボストン総領事館で料理長として2年間勤務。帰国後、1987年「割烹 石和川」を北新地に開店。2002年、現在地に移転。テレビ番組の料理コーナー講師としても活動中。

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 「粋餐 石和川(いわかわ)」

 所在地=大阪府大阪市北区曽根崎新地1-2-9

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