メニュートレンド:“昇り龍”をしゃぶしゃぶ 新客呼ぶメニューとして期待

2021.09.06 511号 24面
ドラゴンしゃぶしゃぶ 2人前2,420円~(税込み) 写真は4人前4,180円。身は好みの大きさに各自で切って鍋へ。具材は、豆腐、ツノマタ、生ワカメ、生キクラゲ

ドラゴンしゃぶしゃぶ 2人前2,420円~(税込み) 写真は4人前4,180円。身は好みの大きさに各自で切って鍋へ。具材は、豆腐、ツノマタ、生ワカメ、生キクラゲ

店内で豪快に調理する、名物のカツオの藁焼き

店内で豪快に調理する、名物のカツオの藁焼き

テラス席や個室もある広い店舗

テラス席や個室もある広い店舗

 ●骨まで丸ごと味わえる

 鮮魚を使う“魚しゃぶ”を出す店は数あれど、タチウオのしゃぶしゃぶは産地以外では滅多に出合えないメニューだ。その珍しさとインパクトある姿で話題なのが「寅八商店 梅田店」の「ドラゴンしゃぶしゃぶ」。タチウオの迫力を実感できるシチュエーションと鍋のうまさが評判を呼び、情報が拡散。このメニューを目指して初来店する客が増加中で、店の認知度アップにも貢献している。

 「寅八商店」は、高知市内にある高知本店のほか、三宮店、梅田店、心斎橋店と関西でも3店舗を展開中。名物は、店内のいけすで泳がせる鮮度抜群のイカや、オーダーを受けてから藁(わら)焼きするカツオで、質の高い魚を楽しめる店としてファンを獲得している。

 梅田店は2020年11月に、より広い店舗に移転し、リニューアルオープン。同時に新メニューとして登場したのが「ドラゴンしゃぶしゃぶ」だ。

 「あまりやっている店がない、タチウオのしゃぶしゃぶをやってみようという社長の発案からスタートしたメニュー。ただ切り身を出すだけでは面白くないと、このスタイルになりました」と、運営するA’s Creative Dining取締役・調理部統括マネージャーの平石夢見人さん。

 釣りでは、大型のタチウオはドラゴンと呼ばれるが、三角錐の土台にぐるぐると巻き付き鋭い歯を見せる姿は名前にたがわぬ大迫力。“昇り龍”の縁起良さにもかけた盛り付けという。

 しゃぶしゃぶ用のだしには、マグロ節と鰹節の2種類をブレンド。淡白な切り身の味にマッチする、うま味と香りが融合した芳醇なだしに仕上げている。骨は、骨せんべいにして提供されるので、タチウオを丸ごと味わえるのも魅力だ。年中取れる魚のため、年間を通じて楽しめるメニューとなっている。

 同店の魚は、毎日仕入れる国産の天然物が基本。単価が高めなので、30代以上のサラリーマンが主な客層だ。しかし、同メニューをスタートしてから若い客が増加。女性客の割合も、2割から4割にアップしたとか。「魚好きの常連客だけではなく、従来とは別の層にアプローチするメニューとして活躍してほしい」と、平石さんは期待を込める。

 ●店舗情報

 「寅八商店 梅田店」 経営=A’s Creative Dining/店舗所在地=大阪市北区曽根崎2-8-5 お初天神EASTビル1階・地下1階/開業=2013年4月/席数=約100席/営業時間=11時30分~20時(21年7月6日現在)。不定休/平均客単価=7000円

 ●愛用食材・資材

 「ゆず 北川村」

 高知県農業協同組合 特産販売課 北川ユズ加工場(高知県安芸郡)

 決め手になる香りと酸味

 同店ではカツオの藁焼き用に、ポン酢と塩ポン酢の2種類を自家製で用意。その味のポイントになるのが、高知県特産のユズを搾った同品だ。しっかりした香りと酸味で、カツオの風味に合う強めの味に仕上がるという。自家製ポン酢は好評で販売も行っており、寅八商店全店で愛用するユズ果汁だ。

 規格=1.8L

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