百花繚乱!立ち食いそば:「きらく蕎麦おがわ」おろしそば+半なす天

2005.03.07 297号 21面

問屋街の入り口、台東区は浅草橋駅の東口から三〇秒のところに、始発の到着する早朝5時から開いている評判のそば屋がある。

六年ほど前、浅草橋駅に立ち食い形式のそば屋さんが立て続けにオープンしたころに開店。ライバルが複数いる中で多数の常連客を獲得、高い人気を維持している店だ。

どんなタイミングでお客さんがやってきても、納得のいく「もりそば」を出したいという店主。冷たいそばはごまかしが効かないので、極力ゆで置きは避けたい。そんな店主が取った手段は、釜に投入する生麺をわずか二人前ずつにするという方法。ピーク時にはゆで上がる端から生麺を投入し続けることになるが、そば粉を多めに使用しているため、ゆで時間は二分少々。ほとんど釜に張り付いた状態で、電話を取る余裕もなくなるという。

L字型の店舗に入り口を二ヵ所設け、全面にカウンターといすを設置。間接照明とタイル張りで落ち着いたトーンにまとめられた店内は、清潔そのものに保たれている。週に一度の大掃除が大変と漏らすが、朝夕を問わずに女性客も多く訪れるという。

たとえ立ち食いそばといえども、女性客をおろそかにしては集客は見込めない。そんなコンセプトをしっかりと実現させた数少ない店だ。

◆「きらく蕎麦おがわ」(東京都台東区浅草橋一‐九‐一一)営業時間=平日午前5時~午後7時、土曜午前5時~午後3時、日祝定休

◆青木剛理=立ち食いそばの発展・認知高揚を目的に、ホームページ「立ち食いそば紀行」(首都圏の立ち食いそば店ランキングなど/http://www.gori.sh//)を主催運営。当連載は約七〇〇軒強の食べ歩き実績から超必見店を紹介。

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