焼肉特集2014 メニュートレンド:脂肪融点21度Cの漢方和牛 総合レストランで6次産業を推進

2014.01.06 418号 02面
玄関に特注の大型冷蔵ショーケースを設置。客がブロック購入した漢方和牛をキープ(展示)

玄関に特注の大型冷蔵ショーケースを設置。客がブロック購入した漢方和牛をキープ(展示)

 宮城県栗原市の「幸之助」は、同市を拠点に全国各地で牧場を営む(株)セキムラの直営レストラン。自社ブランド牛「漢方和牛」をアピールするほか、農畜産業の6次産業化を掲げ、昨年12月3日にオープンした。焼肉をメーンとする店舗規模は、敷地652坪・店舗200坪・席数185席(会議室を含む)。総事業費5億円という肝入りだ。

 「漢方和牛」とは、ハーブなど14種類の素材を配合した“漢方飼料”で育てられた赤牛。関村清幸社長の「人間によい素材は牛にもよい」という信念のもと、BSE騒動を契機に畜産化された。

 肉質の特徴は、脂肪の融点が21.3度Cと非常に低いこと(一派的には36~41度C)。食後の体にやさしいだけでなく、赤身と脂身のバランス、おいしさも抜群。佐々木政成料理長は「とくに赤身は格別。味わい深く、クセがなく、採れたての野菜のような鮮度感が自慢」とし「塩、醤油、ワサビでシンプルに調味するのがベスト」と太鼓判を押す。

 そしてユニークなのが“肉のブロック販売”。客は好きな部位を2kg以上から購入でき、好みの分量・カットで提供してもらえる。残りはボトルキープの要領で保管し、日を分けて仲間内で共有することも可能。保管期間は1ヵ月。購入後の調理代は無料、調味料代は1人500円。期間が過ぎると、残りはカット・冷凍して購入者に発送される。

 また、漁師からマグロの1本買いするなど魚介類も充実。漢方和牛の堆肥を活用した有機野菜も豊富。使用食材はほぼ100%宮城県産。コンセプトの隅々にまで健康志向、生産者の情熱、地産地消が凝縮されている。素材志向の店作りを探る格好のヒントといえよう。

 ●店舗情報

 「幸之助(こうのすけ)」 宮城県栗原市築館字照越永平76-1 経営=セキムラ/坪数・席数=200坪・席数185席/営業時間=午後5時~11時、無休(ランチも営業の予定)/客単価=4000~5000円

 ●愛用資材・食材:ナツメ、サンザシ、クコの実

 精茶百年本舗(岩手県一関市)

 薬膳美肌鍋のスープベースに

 厳選したナツメ、サンザシ、クコの実。看板メニューのひとつである「薬膳美肌鍋」(牛しゃぶ、豚しゃぶ)のオリジナルスープのベースとして使用。漢方和牛を育てる漢方飼料(14素材)も同社のサポートで実現した。関村社長が絶大な信頼を寄せている同志だ。

 規格=各種

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