サンジェルマン、有機栽培小麦粉使用パン発売

粉類 1997.02.12 8165号 1面

(株)サンジェルマン(川崎市、044・833・2411)は、大手チェーンベーカリーで初めて、有機栽培小麦粉を使用したパンを発売した。同社では消費者の有機農産物への関心の高まりと九五年4月の小麦粉輸入の関税化を受けて、昨秋から米国産の有機栽培小麦粉を輸入、商品開発を重ねてきた。昨年11月には、開発した一五アイテムのうち九品目をテスト販売し、人気の高かった五品目について今年から本格発売したもの。サンジェルマンでは、チェーンベーカリー業界の競争激化を背景に、有機栽培小麦粉使用のパンを他社との差別化商品と位置づけており、今後、売れ行きを見ながら生産販売体制の強化を図っていく構えだ。

今回発売したパンは、ホワイトブレッド(四〇〇円)、グラハムブレッド(四五〇円)、パン・ド・フリュイ(四〇〇円)、セサミロール(三〇〇円)、クルミハース(三八〇円)の五種類。いずれもOCIAの認定を受けた有機栽培小麦粉を一〇〇%使用、さらにパン・ド・フリュイ(各種フルーツを練り込んだパン)にはCCOF(California Certified Organic Farmers)の認定を受けたレーズンを使用しており、他のフルーツやナッツなども、徐々に有機栽培の原料に転換していきたい意向だ。

有機栽培小麦粉は毎月二~三t規模で調達しており、今年一年で二四~三〇t程度の輸入を予定している。原料小麦の確保が難しく、複数の農家から調達しているため、小麦粉の品質が安定しにくいが、輸入する度に入念なテストベーキングを実施、粉の甘みを生かしたおいしいパンを実現している。

1月20日から、東急東横店(渋谷)のれん街店、同西館地下一階店と、東急百貨店の日本橋店、吉祥寺店、たまプラーザ店、青葉台店、まちだ店、日吉店の計八ヵ所で販売を開始しており、「風味があって、おいしい」「食感が軽く食べやすい」などと好評を博しているもよう。サンジェルマンでは、この八店での販売実績を踏まえ、市場が定着すれば、原料調達・生産体制の整備を行うとともに、他店での拡売に踏み切る計画だ。

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