メタボリック症候群は予防できる! ボディコアでメタボ撃退エクササイズ
最近話題のメタボリックシンドローム。ウエスト周りが男性で85cm以上、女性で90cm以上あって、血中脂質、血圧、血糖の3項目のうち2項目が基準数値を超えると該当する。血液の数値はともかく、ウエストのサイズくらいでそんな大げさな…と思いがちだけれど、やっぱりそれにはワケがあるようで。まずはお勉強しましょ。
(「第25回AJICO アミノサロン」(味の素(株))から)
メタボリックシンドローム。直訳すると代謝性症候群ですが、日本語では内臓脂肪症候群とされます。糖代謝や脂質代謝が悪いと、やがて循環障害に結びついて心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞となり、最終的には死に至る。そういう経路に入りかけている可能性が高い状態のことです(メタボリックシンドローム診断基準 図1参照)。
内臓脂肪が多いと、なぜそんなに大変なことになるのか。実は脂肪はエネルギー源として蓄えられるだけでなく、いろんな物質を出すことがここ10年くらいの研究で分かってきました。23種類もの物質の中には、糖尿病を直接引き起こす物質や、動脈硬化を引き起こす物質、血栓を引き起こす物質などがあります。つまり脂肪が増えること自体が生活習慣病の直接原因になる。問題物質の分泌は、皮下脂肪よりも内臓脂肪の方が高いことも判明してきました。太っていることが人間の価値を下げるわけではないものの、こうなると真剣に考えなくてはなりません。
日本人の40~74歳でみると、男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームが強く疑われる、またはその予備軍と考えられます。加齢とともに筋肉などの除脂肪量は減り、脂肪量は増えていく。筋肉量減少自体がエネルギー消費を下げてしまうからです。
というわけでメタボリックシンドロームを予防するには、代謝の高い筋肉を増やして太りにくい身体をつくること。より具体的にいうと、1に筋肉づくりを応援する栄養成分(BCAA 図2参照)の補給、2に安静時代謝の高い筋肉を重点的に鍛える運動‐‐が効率的ということになります。
基礎代謝は仰向けに寝ている時にもしている代謝、これに対して安静時代謝とは例えば座っている時、姿勢を維持しながらしている代謝です。この時に使われる筋肉はボディコアマッスルと呼ばれます。身体の中心にあり、背骨や骨盤を支えている筋肉で、脂肪をエネルギー源として燃やすことができる赤筋繊維の比率が高い。ぜひともここを鍛えて、メタボリックシンドロームを遠ざけましょう。
◆さあ始めましょう!メタボ撃退エクササイズ 味の素(株)健康保険組合 健康運動指導士・長沼由紀子さん
今回私たちは「メタボ撃退エクササイズ」を開発しました。ボディコアマッスルを増やすエクササイズ、両方で2分以内でできます。ぜひ毎日の習慣にしてみて下さい。
エクササイズの前後には、必須アミノ酸の中でも最も重要なBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)をとるとさらに効果的。最近は便利な飲料もたくさんあります。摂取の目安は1日当たり1~5gです。
○ひねり体操
(1)いすに座り右手を頭の後ろに持っていく。
(2)右ひじを左足のひざに向かって倒していく。片側10回で左右行う。
*外・内腹斜筋が鍛えられます
○片足上げ体操
いすに座って片足のひざを曲げ上げる。そのひざをお腹に引き寄せる。この時、背もたれに寄りかからないように。左右行う。
*大腰筋が鍛えられます