アポなし!新業態チェック(186)「スタミナ鉄板焼き 四六時中」昭島モリタウン店

2023.02.06 528号 11面

 ●イオンイーハート「四六時中」新業態 テイクアウト重視フードコート型メニューは肉野菜炒め鉄板焼き

 イオングループで飲食事業を担うイオンイーハートが、主力ブランド「四六時中」のフードコート新業態「スタミナ鉄板焼き 四六時中」を東京・昭島の商業施設にオープンした。同社では、アフターコロナに向けたテイクアウト需要に対応できる店舗として、フードコート業態の開発を進めている。同店は、鶏肉と野菜を鉄板の上で炒めた「鉄板焼き」をメインにした、シンプルなサブブランド型の新業態だ。

 「鉄板焼き」にはS・M・Lの3サイズがあり、ごはんと味噌汁、漬物が付いた定食セットがそれぞれ680円、880円、1180円。「鉄板焼き」は単品でも販売し、「ごはん、味噌汁、漬物」のセットは150円、ごはん単品は100円だ。ごはんの量は大中小あるが価格は同じ。「鉄板焼き」を「枕木」と呼ぶ木片で傾け、添えてある「旨辛みそ」を鉄板の反対側にたまった汁に溶かしながら、自分で適度な味に調整するスタイルで食べる。トッピングとして「3種のチーズ」「明太子」(各100円)、「白菜キムチ」(150円)などがあり、デザートには「黒胡麻アイス」(180円)なども用意されている。ドリンクはドリンクバー方式で料理と一緒に注文すれば180円、単品では280円。ほかに「生ビール」や「レモンサワー」(各380円)もある。

 鶏肉はイオンの国産純輝鶏、コメは会津産コシヒカリ、漬物は天日干し大根を使用した宮崎県産つぼ漬けなど食材にもこだわる。12月からは同価格で豚肉バージョンも加わった。

 (価格はすべて税込み)

 ★けんじの評価:昨年、ブランドの大幅リニューアル実施

 イオンイーハートは1964年の設立。来年には創業60周年を迎えるという歴史ある外食企業だ。直近の前身は、イオンがジャスコという名称だった時代にグループの外食事業を担当していた子会社グルメドール。ジャスコが他の流通企業などと合併する過程で、その傘下にある外食企業と統合するなどの経緯を経て、現社名となった。

 イオン創業の呉服店である岡田屋の家訓が「大黒柱に車輪をつけよ」であったというのは有名な逸話だ。「大黒柱になるようなビジネスあっても、すぐに移動できるような機動性を持て」という意味だそうだが、実際、イオングループは時代の変化に即応する機動力により、グループ年商8兆円を超える規模に拡大した。

 イオンイーハートもその例に漏れない。「四六時中」は、もともと商業施設などをメインに展開する食堂スタイルのファミリーレストランだったが、昨年2月、立地に応じて各店を3種類のサブブランドに分けるという大幅なリニューアルを発表した。約180店全店のリニューアルが完了したのが9月。そして翌10月からは、フードコート業態として「海鮮丼・つけ麺」(名古屋)、「鍋焼きごはん」(横須賀)と新業態を連発している。今回臨店した店舗もその一環であり、既存の「おひつごはん 四六時中」をリニューアルしたものだ。決してメディアで大きな話題となるような新業態ではないが、大衆のニーズに合わせて常にスピーディーな変化を遂げる同社のブランドが、これからどのように評価されるだろうか。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「スタミナ鉄板焼き 四六時中」昭島モリタウン店

 開業=2022年11月18日/所在地=東京都昭島市田中町562-1 モリタウン東館2階 フードコート

 編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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