話題のハードセルツァーが英国進出 低カロリーなお酒を健康志向の若者に訴求へ

米国で爆発的に売れているハードセルツァー(hard seltzer)が英国に上陸し注目されている。米国企業のホワイトクローが英国で登録商標したことから、ハードセルツァーが大流行すると予想されている。ハードセルツァーとは何か。英国で本当にヒットするのだろうか。主な商品も紹介する。

米国で爆発的人気のアルコール入り炭酸飲料

ハードセルツァーとは果実の風味を加えたアルコール入り炭酸飲料である。アルコール度数は低めの設定で、米国では2021年までに年間2.5億ドルの販売が予想されているほどの人気だ。

この商品のセールスポイントは、低カロリー・低糖質であること。英国では、ハードセルツァーのほとんどが250~330mlの缶入りで販売されており、アルコール度数は4~5%で、1缶当たり100キロカロリー以下。低カロリーやグルテンフリーを好む健康志向の若者層(18~34歳)に強く訴求できると見込まれている。

今春、数々のメディアが「今夏のトレンド・ドリンク」とうたったが、新型コロナの影響もあろうか、残念ながら夏の販売数に関する情報は見当たらなかった。しかし今後、遅かれ早かれ米国と同様に大ヒットの可能性は否定できない。

参照サイト:
Hard seltzer — how alcoholic is your water?  The Times
Hard seltzers hit the UK – but will they see the same success as in the US?

ハードセルツァー売場(筆者撮影)

強い味を好む英国人にどう訴求

若者層の嗜好において、米国と英国で似ている点はあるものの、英国人はこれまで、ジンやクラフトビールが流行を楽しんできており、比較的強い味を好む傾向がある。また、クラフト商品や新規性にこだわる消費者も多く、低カロリーのアルコールを多量に飲むよりも、飲酒量を適度に控える健康維持法が習慣化しつつある。

ゆえに、ミンテル社のグローバルアナリストであるマーテイン・パスコ氏は、クラフトや超プレミアム商品を好む若者層にはアピールしないのではないかと予想している。さらに、「ハードセルツァー」は口語米語であり、英国人には理解し難く、発音も名称も覚えづらい。

一方、Bodega Bay社は、新しくてエキサイテイングなものを求める消費者には、風変りな名称もアピールすると主張している。例えば、Kombucha(発酵飲料)は、馴染みのない名称で市場に出たが、今では英国で多くのファンを得ている。缶入り仕様である点も、気軽にどこでも飲めるなどアピールポイントは多い。

英国で展開中の主なハードセルツァー

ハードセルツァーは現在、大手スーパーマーケットやオンライン、また、ハロッズでも売られている。一般に入手しやすい商品は、以下のようなアイテムだ。

「ホワイトクロー ハードセルツァー ブラックチェリー」(White Claw)はスピリッツ入りブラックチェリー風味の発泡アルコール飲料。アルコール分は4.5%。1缶330ml当たり、95キロカロリー。

「ホワイトクロー ハードセルツァー ブラックチェリー」(筆者撮影)

「スミノフ セルツァー オレンジ&グレープフルーツ」(Smiroff)はウオッカ入りオレンジとグレープフルーツ風味の発泡アルコール飲料。アルコール分は4.7%。1缶250ml当たり72キロカロリー。

「スミノフ セルツァー オレンジ&グレープフルーツ」(筆者撮影)

すでにいくつかの英国企業は、ハードセルツァーの開発・販売に乗り出している。中でも、クラフトビールで有名なBrewDog社は、いち早くオンライン販売を開始している。はたしてハードセルツァーは、英国で大ヒットするのだろうか。今後の動きに目が離せない。(フードライター ラッド順子)