環境に優しい生分解性ガムがフランスで注目 脱プラスチックは多様な食品に拡大

近年、環境への配慮から世界中でプラスチックゴミを減らそうという流れが加速し、日本でも使い捨てプラスチックに対する意識が高まっている。この流れはレジ袋や容器包装だけではないようだ。今回は、フランスのスーパーマーケットでも販売されているプラスチックフリーのチューインガムについてご紹介する。

一般的なガムは自然分解するまでに5年

フランスを含め、欧州では若者を中心にプラスチックフリーのチューインガムが注目を集めつつあるようだ。

一般的なガムベースの多くは、合成樹脂である酢酸ビニル樹脂やポリイソブチレンなどが使われている。しかし、路上に捨てられたり、飲み込んだものが消化されずに下水に流れた場合、自然分解するまでに5年間を要し、環境中に留まり続けるそうだ。

プラスチックフリーのガムに使用される原料(True Gum公式サイトから)

このことを問題視し、木の樹液を煮詰めて固めた天然樹脂「チクル」をガムベースとしたものがプラスチックフリーで生分解性のチューインガムだ。天然樹脂ベースのガムは従来の合成樹脂ベースのガムよりも早い3~4週間で分解され、環境に優しいというのが商品の売りとなっている。

フランスのスーパーに登場した生分解性ガムとは

フランス国内でスナック菓子やクッキーなどを製造しているTooGoodブランドは、健康で地球にやさしい、新世代のチューインガムとして「生分解性のガム」の販売を始め注目を集めている。

フランスのスーパーマーケットチェーンMONOPRIXでも販売(Monoprix Plus公式サイトから)

Too Goodのチューインガムは植物性のガムベースを使用し、合わせて人工甘味料アスパルテームなどを避けるトレンドを受け、生分解性で人工甘味料不使用、動物性由来の素材も使用しない100%天然素材の植物ベースのチューインガムという徹底ぶりだ。

わかりやすく、シンプルでオシャレなパッケージもSNSで拡散されやすいように工夫されたものに感じられる。

生分解性ガムはすでにEU・米国でも注目

EU圏内へ視野を広げてみると、各国でさまざまな企業が天然素材のガムの販売に踏み出している。

スウェーデンのオーラルケアメーカーTHE HUMBLE CO.もまた、竹製の歯ブラシやデンタルフロスなどと共に「プラスチックフリー」をうたった生分解性の天然ガムベースのチューインガムを販売している。

プラスチックを含まないチューインガム(THE HUMBLE CO.公式サイトから)

デンマーク発のTrueGum、米国のSimplyGumも植物性由来のガムベースで生分解性であり、人工甘味料(アスパルテーム)の代わりにキシリトールやステビアなど植物由来の糖を使用しているという点が共通しているようだ。動物性の原料も一切含まないため、ビーガン対応としている。

各国のブランドは共に、価格としてはやや高めに感じるが、よりシンプルで自然な素材を使用した商品に価値が見出されている。

日本では縮小傾向にあるチューインガムの市場だが、このようなサステナブルな食品を求める消費者の多くは若者中心に見られ、倫理的な消費は洗練されたパッケージデザインと共にSNSで拡散されやすい傾向にある。

環境意識の高い消費者が増加することにより、プラスチックを含まないチューインガムのトレンドは今後アジアへ広がっていくことも予想される。(在フランス管理栄養士ライター 高城紗織)