花王が 新機能食油第2弾「エコナ揚げ油」、カラッと揚がり使用量1/2に
花王(株)(東京都中央区、03・3660・7042)は、天ぷらがカラッと揚がり、使用量が従来の二分の一で済む、全く新しいタイプの食用油「エコナ揚げ油」を10月24日から北海道、東北、北陸、中・四国、九州、沖縄地区で新発売した。カラッと揚がる新機能(特許一一申請)を特化させた業界初の揚げ油。オリジナル性が高く、消費者ニーズにマッチした揚げ物料理専用油の登場で、食用油業界に与える影響は大きく、新たな揚げ物用専用油の開発が相次ぐものとみられる。
「エコナ揚げ油」の開発背景は、天ぷらなど揚げ物料理の際に「カラッと揚がらない」「油っぽくなってしまう」「油臭くて油酔する」「油の片付けが面倒」といった不満が多い点に着目。この不満を解消し、誰でも上手においしい揚げ物料理ができる揚げ油の研究・開発を、生活と科学の視点から進め、ようやく開発したのが「エコナ揚げ油」。
特徴は(1)衣を広げ、中の水分をすばやく飛ばすため、揚げ物がカラッと油切れよく揚がる(2)加熱に強く傷みにくいので、油っぽくなくさっぱり仕上がり、食後のもたれ感がない。揚げているときの油臭さが気にならない。今までの二倍、繰り返し使える(3)いつもの約半分の量で上手に揚げられるので経済的(4)主原料は厳選された良質のコーン油。
製品特徴のカラッと揚がる技術的な点は、油の中の乳化剤の働き。天ぷらの衣に乳化剤が働き、衣を覆う油の界面張力を下げるため、衣の表面積が広がって、衣の中の水分を飛ばす結果、カラッと揚がる。また、材料を入れた際、油の温度が下がるが、油の使用量が半分のため、高温にもどる時間も早く、温度差が少ないこともカラッと揚がる要因のひとつとなっている。
同社は一九九〇年に独自の酵素技術と油脂の精製技術で植物性酵素分解レシチンと親水性油脂をバイオ技術で開発、それを大豆油に加えてハネない、コゲない、使用量約二分の一といった焼き物・炒め物料理専用の「エコナクッキングオイル」を発売、炒め物油の新市場を築した。
現在、炒め物油の九〇%近いシェアを占めている。今回、揚げ物料理専用の食用油の発売により、「クッキングオイル」同様に食用油業界に「揚げ油」の刺激を与えることは確か。花王では焼き物・炒め物料理には「エコナクッキングオイル」、揚げ物料理には「エコナ揚げ油」と機能訴求型で、食用油の市場に新風を吹き込んでいきたい、としている。販売地域のエリアごとに比較広告のテレビCFを投入、店頭のプロモーション、サンプリングなど連動した形で積極的な展開を図る方針。











