メニュー提案 北海道の冬の幸をイメージしたぜいたく感覚「知床御膳」
秋になると私は、新宿駅23時3分発の村上行「ムーンライト号」に乗って、その年のサケの写真を撮りながら、サケ料理を食べに行く。
村上駅から車で10分余で本州最大といわれるサケ漁の三面川に着くが、朝モヤがたちこめて人の顔もはっきりと見えない中、威勢のよい声が、漁船の行き来する度に聞こえてくる。
河口近くには川の全長四〇m余りを上って行こうとしている、お腹に卵をいっばい持った、元気なメスが並んでいる。本やテレビで見るのと違って迫力とたくましさに感動する。
この漁は、12月初め迄、全国でくり広げられるが、今の季節の生鮭の味は格別で、又一年中で一番栄養が豊富に含まれてもいる。
「旨い」「身体によい」と自慢するサケには、他の魚にあまり含まれていないビタミンAがあるので、風邪予防に常食をおすすめしたい。その上、サケは捨てる所がなく、一匹まるごと食べられるので、医食同源メニューには度々紹介される。
老化防止のDHA(ドコサへキサエン酸)が豊富に含まれている、サケの頭のみそたたき焼は、簡単な酒の肴になる。又風邪予防の為には、三枚に下したり薄く切ったりしないで内臓ごと筒切りして、生姜をいれて煮たり、野菜と一緒に、みそ炊きにするとよい。
料理を楽しく、健康を考えて。旬の食材には、今必要な物が含まれている。
サケの頭・生姜・にんにく・みそ・ゆず・ねぎ・玉子をいれて出刃包丁で叩くかスピードカッターでこまかくする。
(注)エラは水でよく血を洗って使う。頭・氷頭・目玉も忘れずに。
まぜてホイルにのせてこんがりと焼く。新鮮なら酢をかけて生で酒のお供に。
(自然食もてなし料理人 田村匡世)
●材料/鮭フレーク(25g)、醤油漬いくら(20g)、白飯(250g)、きざみのり、かいわれ(各少々)、小わたりがに(1パイ)、みそ汁(300ミリリットル)、きのこおろし、漬物。
●作り方/(1)わたりがにはカラをはずし、カニをとり1/4等分に切る。
(2)みそ汁を煮立て、かにを入れ5~6分煮る。
(3)器に白飯を入れ、紅鮭フレークをリング状に盛る。
(4)その中央に醤油漬いくらを入れる。
(5)きざみのり、かいわれをまわりにあしらう。(6)かにみそ汁、きのこおろし、漬物とセットで提供する。