おはしで治す現代病:メニエール病 塩分控え水はけのいい身体に

1996.05.10 8号 18面

めまいは誰もが経験することとしてつい我慢したり軽視しがちだが、恐ろしく大きな病気の前兆の可能性もある。一口にめまいといっても、クルクル(回転)、フラフラ(揺れ)など、症状はいろいろ。そのメニエール病が四〇~五〇代の働き盛りの男性に多いという。東京医科歯科大学の小松崎篤教授にうかがった。

めまい治療で大切なのは、何が原因かを探ること。それには自分の症状を把握しておく必要がある。

メニエール病の場合、突発的な回転性のめまい(自分自身は動かずに周囲が回っているように感じるめまい)の反復と聞こえの悪さ、耳鳴りや耳のつまりが起こるのが特徴。発作が続くのは普通三〇分から数時間で、一回の発作で耳が全く聞こえなくなるケースはまずないが、くり返すので生活に支障をきたす。しかし、めまいがすべてメニエール病とは限らない。

めまいとともに手足のしびれ、舌のもつれ、ものが二重に見える‐‐、などの症状があれば、内耳よりむしろ脳の病気と考えた方がよいので、めまいの状態を細かく医師に伝えて、早期に検査を受けることが大切だ。

◆脳か耳に故障が

バランスが狂うとめまいは起こる。平衡感覚を保つための脳か耳かどこかの機能が故障している証拠だ。メニエール病の場合、故障を起こしているの内耳。内耳の内リンパという水が増えてしまう(内リンパ水腫)ことにより、内耳の水圧が上がってしまうため、バランスを失ってめまいが起こるのだ。

なぜ内リンパ液が増えてしまうのか。はっきりしたことはわかっていない。そのため今のところメニエール病を根本から治すのは難しく、治療は「発作の予防」と「発作中の抑制」の二タイプの薬による対症療法がメーン。

薬が効かない場合には内耳の圧力を下げる手術を行うこともある。最近ではハリ治療や漢方薬などを利用する人も増えているが、要は発作の不安をとり除くことが一番効果的な予防法だという。

◆バランスある食事

メニエール病患者に減塩食と高塩食を食べさせた場合、減塩のほうが発作が減るという結果が出ている。塩をとりすぎるとどうしても体内の水分が増加しやすくなるからだ。メニエール病のめまいの原因・内リンパの水腫を大きくしないよう、食生活では塩分摂取に気をつけよう。その他めまいに即効く食べ物はとくにないが、バランスのとれた食生活を心がけストレスに負けない身体づくりをしたい。

◆気長につきあう

メニエール病でつらいのは、発作の苦しさよりむしろ周囲の人々に病気が理解されないことだという。また「通勤途中ホームで発作が起こたら」「何か深刻な病気かも」などとストレスがストレスを生むのもおちいりがちな悪循還。気長にめまいとつきあい決心で仕事も遊びも適当にこなすのが、上手にめまいとサヨナラできる方法かも!?。

○急なめまいの対処法

突然、激しいめまいに襲われたら…。

(1)ネクタイ、ベルトなど、身体をきつく締めているものをゆるめる

(2)横になる(このとき症状の出ていないほうの耳を下にするか、もしくは仰向けになると楽)

(3)部屋を暗くする

こうしてじっとしていると、三〇分から三時間ほどで症状はおさまってくる。吐いても心配はないが、どうにも症状が強すぎるとか、なかなかおさまらない場合には耳鼻咽喉科か内科の医師に、トラベルミン(めまい止め)やプリンペラン(吐き気止め)の注射をしてもらえば、急速に症状が軽減する。

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