漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(136)大暑 夏に湿気が高くなるワケ
とうもろこしの丸め焼き
●24節気 大暑(7月21日~8月6日)
1年で最も暑い時期。七十二候では、初候は「桐はじめて花を結ぶ」で、紫の花の清々しさを。次候は「土潤いてむし暑し」と、大地に強い陽射しが照りつけ水分が蒸発する様を。末候は「大雨(たいう)ときどきふる」と、激しい夕立ちを警告しています。
夏は湿気が高くジメジメします。湿度とは1立方メートルの空気(大気)の飽和水蒸気量とそこに含まれる水蒸気量の割合。ここにトマトが10個入る箱があるとしましょう。そこにトマトを10個入れた状態が飽和状態で、10という数が飽和水蒸気量です。箱に5個だけトマトが入れば10分の5。それが湿度50%。この数字を相対湿度、中の5個は絶対湿度といいます。
面白いのは、箱に入れられる数が気温によって変わること。高ければたくさん、低くなると5個でも入りきらなくなります。夏は気温が高いので箱には30個も入れられます。湿度が50%だとしても、絶対湿度であるトマトは15個になりますね。
同じ湿度50%でも、夏は空気中の実水分量が冬よりも多いのです。雨は湿度が100%を超え、大気で持ちきれなくなった時に降ります。絶対湿度が高いと身体の水分排出が難しいので、食事で調節しましょう。
●気象歳時記
五運六気・辛丑年(2021年)
主運が少宮に当たるため湿度が低く、カラっとした暑さで比較的過ごしやすいかもしれません。
●とうもろこし
【栄養学】身体や脳の栄養源である糖質を多く含みます。ビタミンB群も多く、エネルギー補給や疲労回復に効果的です。
【薬膳学】身体にこもった熱を冷まします。胃腸の働きを助け、食欲不振の症状改善にも役立ちます。体力を消耗する夏にオススメ。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 河村彩子(レシピも)
◆とうもろこしの丸め焼き
夏バテ予防&疲労回復
エネルギー210kcal たんぱく質7.7g 塩分0.8g(1人分)
<材料・2人分>
・とうもろこし……1本
・はんぺん……1枚
A・片栗粉……大さじ2
A・マヨネーズ……大さじ1
A・青のり……少々
・油……小さじ1
・トマト……中1/2個
・香菜(パクチー)……適量
<作り方>
(1)とうもろこしは皮をむき、ラップで包み、電子レンジ(600W)で5分加熱する。粗熱が取れたら長さを半分に切り、実を包丁でそぎ切る。
(2)ポリ袋に、はんぺん・A・(1)を入れて手で潰しながらよく混ぜて、6等分にする。形を丸く整え、油をひいたフライパンで両面を焼く。
(3)皿に盛りつけ、トマトと香菜を切って添える。
※お好みでポン酢しょうゆをかけても。