72候を楽しむ漢方スローライフ(117)麋角解つる
ふわふわ山芋グラタン
迎える新年を清々しく(冬至次候 12月26~30日頃)
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春の生え変わりに向けて大鹿(ヘラジカ)の角が落ちる頃。年の瀬を迎え、忘年会に買い出しにと慌ただしい日々が続きます。とはいえ、新しい年は清々しく過ごしたいもの。年末は大掃除で家を清め、正月の準備を丁寧に整えて、さて、気持ちよく新年を迎えましょう。
●「冷え」は体調不良の要因
冬至を過ぎ、冬の寒さはこれからが本番。冷え症に悩む人にとっては、つらい季節の到来です。冷えは病気ではありませんが、不眠や肩こり、便秘、免疫力の低下といったさまざまな不調の要因に。風邪をひかず元気に冬を乗り切るためにも、積極的に冷え体質を改善しましょう。
漢方では、冷えは身体を温めるエネルギー「陽気」の不足が主な原因と考えます。陽気は五臓の「腎」が源となっているため、腎の機能が低下すると陽気も不足しがちに。
また、「胃腸」の働きが弱くなると、栄養不足で陽気を十分生み出せなくなります。こうした状態が続くと、身体をしっかり温めることができず、冷えを招いてしまうのです。
●「腎」と「胃腸」を健やかに
冷え体質を改善する基本は、腎と胃腸の働きを守り、陽気を充実させること。腎は冷えに弱いので、特に腰回りをしっかり温めて、冬の寒さから腎を守りましょう。暴飲暴食、冷たい飲食などに気をつけて、胃腸を健やかに保つことも大切です。
日常生活では、トレーニングを習慣にして筋力アップを。身体の熱の多くは筋肉が生み出しているので、冷えの予防につながります。
食材は、身体を温める鮭、エビ、ニラ、しょうが、唐辛子、胃腸を整えて気を養う山芋、卵、チーズなどがおすすめです。
◆ハレの日薬膳レシピ:ふわふわ山芋グラタン
身体を温める鮭・エビ・ニラと、脾胃の働きを助ける山芋で冷えを改善
エネルギー250kcal/たんぱく質25.5g/塩1.1g(1人分)
<材料・2人分>
A・山芋……200g
A・卵……1個
A・塩……小さじ1/2
A・こしょう……少々
・ピザ用チ-ズ……30g
・ニラ……50g
・むきエビ……80g
・甘塩鮭……80g
・おろししょうが……小さじ1
・酒……小さじ1
・オリーブオイル……適量
・糸唐辛子……お好みで
<作り方>
(1)オ-ブンは200℃に予熱する。
(2)甘塩鮭は焼いて皮をはずし、食べやすい大きさにほぐす。
(3)ニラは2cm幅に切る。むきエビは分量のおろししょうがと酒に漬けておく。
(4)Aの材料をすべて合わせてミキサ-にかける。
(5)(4)をボウルに移し、(2)、(3)も入れ、ピザ用チ-ズを合わせる。
(6)グラタン皿に油をひき、(5)の材料を流し入れ、オリーブオイルをかけてオーブンに入れる。
(7)中段で15~20分焼き、お好みで糸唐辛子をかける。
レシピ=小林頼子(東京栄養士薬膳研究会)
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24節気72候は、古代中国で始まった暦が日本でも取り入れられ、風土気候に合わせ明治まで使われていました。日々の中に少しずつ感じられる季節の移ろいを、楽しみましょう。