陽射しがだんだんと弱くなり、虹が見えることも少なくなる季節。この時期は日を追うごとに寒さが増し、山里ではちらほらと雪が舞うことも。冷たい木枯らしにきゅっと身を縮めたら、もう冬本番はすぐそこです。
免疫力アップで風邪に負けない!
空気が乾燥し、寒さが一段と厳しくなる冬本番。風邪やインフルエンザを予防するためにも、免疫力アップを心がけたい季節です。漢方では、健康な身体を維持し、病気に対する抵抗力を「正気(せいき)」と呼んでいます。一方、病気を引き起こす力を「邪気(じゃき)」と言います。正気が満ちていれば、邪気は身体の中に入ることはできませんが、正気が弱まると気候や環境の変化に身体がついていけず、邪気が侵入しやすくなってしまいます。正気を充実することで、風邪をひきにくく、寒さやウイルスにも負けない体質になるのです。
肺・胃腸・腎を健やかに
正気を充実させる基本は、まず気の生成と深く関わる「肺」を健やかに保つこと。肺は乾燥に弱いため、冬は特に意識して潤いを守るよう心がけましょう。体内の気や潤いを十分養うためには、「胃腸」を整えてバランスよく栄養を取ることも大切。「腎」の機能を高め、根本的な生命力を強くすることもポイントです。
もう一つ気をつけたいのは、寒さによる身体の冷え。胃腸や腎は特に冷えに弱いので、温かい食事や飲み物、入浴などを心がけ、身体を温める習慣をつけましょう。
食材は、身体を温め元気を養う山芋、かぼちゃ、しいたけ、えび、羊肉、潤いを養う白菜、大根、卵、ホタテ、白ごま、胃腸を整える香菜、しそ、しょうがなどがおすすめです。
24節気72候は、古代中国で始まった暦が日本でも取り入れられ、風土気候に合わせ明治まで使われていました。日々の中に少しずつ感じられる季節の移ろいを、楽しみましょう。