包装もち市場、微増も伝統希薄化 「生切」堅調、「鏡」漸減

農産加工 ニュース 2019.04.26 11869号 01面

もち市場の健闘が続いている。全国餅工業協同組合は18年度(18年4月~19年3月)の包装もち生産数量を公表し、0.3%増の5万9432tだった。構成比が高い「生切餅」が0.8%増と堅調だったが、「鏡餅」は1.1%減。小型化トレンドの影響も大きいが、伝統離れの加速が危惧される。(山本大介)

包装もちの生産量は、16年度に熊本地震による防災意識の高まりで保存食としての需要が急増した年を除けば、ここ数年は5万8000~5万9000t台で安定している。うち、約9割を占める生切餅は11年度に4万7900tだったものが徐々に増え、14年度に5万tを突破し18年度は5万2799tだった。11~12月に年間売上高の6~7割を占め冬に偏りがちな市場。喫食機会を通年化するため各社は従来の焼く・煮るとは違った提案をしてきた。長方形でなく、スティック状や薄切り、正方形、スライスなど形状も多様化。さらに鍋用やもちメニューのセット提案・味付けによる食シーン創造など、具体的な用途提案で時短・簡便ニーズに対応する新たな取組みも奏功して、安定市場を維持している。

一方、12~13年度に6000t台を維持していた鏡餅は漸減傾向に歯止めがかからず、18年度は4321t。一番の減少要因は大型から中・小型化し、成形容器に充填(じゅうてん)する一体型から個包装の小もち入りへの変化が大きい。ただ、社会環境やライフスタイルが様変わりする中で、正月に鏡餅を飾って年神様を迎える伝統意識が薄まり、文化として伝えることが困難となっている。

各社の動向は、佐藤食品工業は4月期のため第3四半期(18年5月~19年1月)までの実績によると、グループ企業のうさぎもちを含めて包装もち全体で3.3%増と好調。鏡もちではトップシェアの越後製菓は18年度、包装もちでほぼ前年並みも、鏡餅で前年割れの見込み。たいまつ食品は包装もち、鏡餅ともに前年割れの見込みだ。特に鏡餅は前年を割った越後製菓がトップシェアを維持したことで、金額ベースでも市場全体の落ち込みがより深刻化したことがうかがえる。

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