胃心伝真=ちょっとだけ

総合 コラム 2018.07.11 11729号 01面

 冬の新潟出張で越後湯沢駅に着くと、川端康成の「雪国」の冒頭の一節が頭に浮かぶ。浅草を歩けば、永井荷風、江戸川乱歩、三島由紀夫、半村良が描写した浅草が現実の街に二重写しになる▼目の前の光景が過去の作品を通すことで垂直に時間軸が現れ、重層的になる▼NHKの「ブラタモリ」の人気や人気アニメの「聖地巡礼」も同様な感覚からと推測する。勉強のためではなく好きで読んできたのだが、子どもに本を読むことや勉強の効用を聞かれたら、知ること、すなわち勉強をすることで、現実の世界が違って見えるって

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