胃心伝真=奇想の画家

総合 コラム 2017.09.06 11585号 01面

 上野・西洋美術館では、16世紀後半に活躍した奇想の画家アルチンボルドの展覧会を開催中だ。野菜や果物をモチーフにして人物を描いた「だまし絵」は、独創的で模倣者さえいない孤高の存在といえる▼画家は、欧州を支配したハプスブルク家から寵愛(ちょうあい)を受け、400年以上経た今も異彩を放つ作品を生み出した。当時は飢餓や伝染病がまん延し、食べていくだけでも大変な時代。世界中から取り寄せた食材を写実的に描いて制作した肖像画は、権力者の力を見せ付ける証しともなっただろう▼画家が活躍した時

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