胃心伝真=さようならの先

総合 コラム 2019.03.22 11852号 01面

 桜の開花が話題となるこの時期、卒業や人事異動など多くの人が人生の転機を迎える。別れの言葉「さようなら」は「左様ならば(さようならば)」の「ば」が略され、あいさつに使うようになったという。「そういうことならば、しかたがない」という意味には、別れに対する諦めや避けられない事実を潔く受けとめる思想が含まれている▼別れの言葉にネガティブな意味を込めた日本は世界でも極めてまれな国だろう。そこには「もう二度と会えないかもしれない」という無常観が漂う
 ▼井伏鱒二

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