欧州連合（EU）は19年まで、欧州産高品質エキストラバージン・オリーブオイル（以下EXバージン）の日本向けキャンペーンを実施する。

　イタリア、スペインの業界団体加盟の企業製品を中心にプロモーション活動を大規模に行うもので、調理学校での講義や流通・量販店向けへのトレーニング、一般向け店頭デモンストレーションを実施。有望市場である国内での啓蒙（けいもう）活動を目的に、高品質EXバージンの知識や健康効果、風味の理解促進を図る。

　国内オリーブオイル市場は拡大傾向にあり、日本の消費者のオリーブオイルに対する認知度は高いといわれる。一方で、日本は世界唯一の国際協定に基づくオリーブオイルの政府間機関「インターナショナル・オリーブ・カウンシル=IOC）に加盟しておらず、国際基準の規格自体が存在しないため、「エキストラバージン・オリーブオイル」という呼称が自由に使われている。

　これを背景に同キャンペーンでは、高品質EXバージンの啓蒙活動を多彩な角度から実施。シェフ志望の学生向けに3日間の集中講義やレシピコンテストを実施するほか、料理・影響力のあるステークホルダー向けに高品質EXバージン料理の食事会を開催する。

　また、流通業者を対象に専門家がEXバージンの健康効果や保存方法などに関する特別講義とテイスティングセミナーを実施。オリーブオイルの知識、テイスティングの仕方、保存方法、店頭での陳列方法などについての講義を行う予定。

　一般向けには、販売店舗でイタリアとスペイン人専門家による店頭デモンストレーションを実施。高品質EXバージンの健康効果、栄養価、独特の風味に対する理解を深める。

　キャンペーンには、EU出資の高品質EXバージン業界団体である伊・CEQItaliaとスペイン・QvExtra！Internationalが参画。いずれも高品質EXバージンのプロモーションを行う非営利団体で、伊CEQは37ブランドが所属、スペインQvExtra！は44社で構成されている。

　（村岡直樹）