胃心伝真=蓬莱米

総合 コラム 2017.12.01 11627号 01面

 台湾は亜熱帯気候だが、日本同様ジャポニカ米が主食だ。ルーツは「蓬莱米」(ほうらいまい)。日本統治時代に長粒種の在来稲と日本稲の交配により品種改良されたコメで、粒形や食味が日本米とよく似ている▼明治から昭和初期に、台湾総督府農事試験場に勤務した磯永吉らが担った。内地品種を持ち込んでも、高温で出穂が早過ぎ栽培できない。しかも、ジャポニカとインディカの交配は至難の業。半世紀近くに及ぶ執念の大事業で、当時の日本人にとってコメはまさにソウルフードそのものと痛感する

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