スリーピークス、サフランの産地化を推進

農産加工 ニュース 2019.04.19 11866号 06面
つくしの会の通所者らと掘り起こしたサフラン球根。後列右端が峰岸一郎社長(2018年)

つくしの会の通所者らと掘り起こしたサフラン球根。後列右端が峰岸一郎社長(2018年)

農業法人スリーピークス(山梨県甲府市、峰岸一郎社長)はサフランの産地化を目指し、甲府市や地域企業・団体などと連携を図っている。同社は2018年に「有機JAS認証」と「ASIA GAP認証」を取得。19年1月には甲府ブランド「甲府之証」に「サフラン満喫詰め合わせセット」(3240円、税込み)が認定され、地域JAやキツネファームオンラインストアでの販売も女性を中心に好調だ。

スリーピークスは、特殊鋼加工業の峰岸商会が17年に設立。

甲府ブランド認定品『サフラン満喫詰め合わせセット』は、乾燥サフラン(スリーピークス)、サフランほうじ茶とサフラン玄米茶(菱和園)、サフランキャンディー(ニューロン製菓)、サフランラスク(サンクフルール)の5種類。各開発企業やJA山梨みらい直売所、甲府駅などで販売されている。サフランは、紀元前から世界各地で香辛料や薬用、染料などとして利用されてきた。日本には江戸時代に薬として伝わり、現在は主に血行促進作用などの働きを期待した健康食品、パエリアなど料理の着色に用いられる。

インド・カシミール地方やスペイン・バレンシア地方が露地栽培の産地として有名。香辛料の中では最も高価で日本の小売価格は1gが1000円前後。

峰岸社長は日本随一の産地である大分県竹田市の栽培法を学び、独自栽培方式を考案。雌しべを採取した球根を畑に植え、芽が出たら2本程度残す。1~5月は分球の時期。掘り起こして、6~10月後半まで木箱に入れ、暗い倉庫で保管。10~12月に紫色の花が開花。花を摘み、3本の雌しべを採取する。

社会福祉法人つくしの会の通所者は、球根の植え込みと掘り起こし、雌しべの手摘み作業などで協力する。

峰岸社長は「現在、薬草の多くが輸入品で、主要な品目は価格が上昇している。サフランの特産化を契機に甲府を薬草の産地に育てたい」と語る。(山田由紀子)

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