会津美里振興公社、オタネニンジン使用カレーを発表 下北沢カレーフェスで

農産加工 ニュース 2019.10.09 11954号 05面
渡部英敏会津美里町長がアピール

渡部英敏会津美里町長がアピール

会津美里振興公社は、10~22日に開催される「下北沢カレーフェスティバル2019」で、薬用ニンジンである会津産オタネニンジンを使った「ピンピンころりカレー」の期間限定レストランをオープンする。レストランではカレーのほか、カレー焼きそば、テークアウトが可能なカレーパンも提供。いずれも会津産オタネニンジンを使用している。

「ピンピンころりカレー」は、輪切りにしたオタネニンジンとその乾燥エキスを配合。同公社が今年2月に福島県内の駅構内や道の駅などで販売を開始した。「野菜だけだとオタネニンジンの苦みが出てしまう」(高梨宣浩専務取締役)ことから牛肉をベースにしており、カレーの辛味とのバランスに工夫を凝らした。

オタネニンジンは、古来、漢方薬を中心に使用されてきた。食用では薬膳スープの「サムゲタン」に使われることが知られており、滋養強壮、血流改善などのさまざまな効能がある。国内では会津のほか、長野、島根の計3ヵ所だけで生産されている希少な食材でもある。

歴史的には、江戸時代に栽培が盛んに行われ、国内需要というよりは海外への輸出が大半を占めていたという。その後の変動相場制への移行から円高基調となったことを背景に栽培農家は衰退。1896(明治29)年に会津地域のオタネニンジンの栽培面積は300haであったが、2017年には6haまで減少しており、「生産者は会津美里町だけで1件のみ」(高梨氏)というほど存亡の危機にある。そこで、オタネニンジンをカレーをはじめさまざまな商品に展開。現在は食品に限らず、化粧品などにも展開している。

「ピンピンころりカレー」に使われているオタネニンジンは「日本薬局方の基準をクリア」(高梨氏)しており、品質が高いのが特徴。「会津ではオタネニンジンを使ったカレーを食べて長生きしている人もいる。私もこれを食べて“ピンピンころり”できればと思う」(渡部英敏・会津美里町長)とアピールした。(藤村顕太朗)

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