レトルト食品、18年国内生産量が最高更新 缶詰は4年ぶり増

18年(1~12月)の缶詰・瓶詰・レトルト食品の国内生産量は、レトルト食品が1.3%増、37万9521tと2年連続で過去最高を更新した。けん引したのは前年同様カレーで、同じく過去最高を更新。缶詰はスーパー売場を主体とする丸缶(飲料を除く)が前年比0.3%増、21万5195tと微増で、前年を上回ったのは4年ぶり。水産・食肉缶詰の増産が寄与した。日本缶詰びん詰レトルト食品協会がこのほど発表した。(本宮康博)

レトルト食品のうちカレーは3.5%増、16万1711tと増産を維持し、全体の42.6%を占めた。3~4個入りパック品の好調を反映した。ほかにも堅調な需要の料理用調味ソースは1.7%増、4万4275t、個食タイプの丼の具材が順調な食肉野菜混合煮が18.3%増、麻婆豆腐の素11.2%増など。つゆ・たれ、パスタソースは減産に転じた。

丸缶全体の48.5%を占めた水産缶詰は、5.9%増、10万4410tで2年ぶり増。けん引したのはサバ缶の26.6%増、4万9349tで、89年前後の水準に回復。水煮40%増、味付け11%増、味噌煮23%増と全方位で伸びた。イワシ缶も相乗効果で52.3%増、7233tとなり、不漁で30.9%減、6732tに落ち込んだサンマ缶を逆転した。同じ要因でカニ・サケ・イカ・赤貝・ホタテ各缶詰がすべて減産。特にイカ缶は14.4%減と過去最低を更新、カニ缶も36.7%減と大幅減産。

食肉缶詰は5.2%増、6340tと回復。焼き鳥の14.3%増、うずら卵煮の16.4%増が全体を押し上げた。野菜缶詰は8.8%減と減産に転じ、北海道産が天候要因で33%減となったスイートコーンは11.2%減、1万2488tに。果実缶詰は混合果実缶が伸びたが、主力のミカン缶が原料事情で7.8%減。調理・特殊缶詰は、スープ類がギフト向け小容量品の需要増で3%増も、全体は3.3%減。瓶詰はジャムが3.3%増、2万7884tと4年ぶりに増産に転じたが、つゆはPETボトルへのシフトで大幅減。

業務用を含む缶詰・瓶詰合計の国内生産量は3.7%減、29万4735tで、これに年間輸入量68万8711t(0.8%減)を合わせ、輸出量6908tを差し引いた国内総供給量は約97万7000tとなり、前年比1.8%減だった。

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