向後千里著『富士山と御師料理』女子栄養大学出版部刊

総合 新刊紹介 2020.05.08 12048号 06面

 食生活文化に広く精通し、料理の著書も多数ある向後千里氏による『富士山と御師料理』は昨春の発刊だが、新型コロナウイルスに揺れる現在の食状況に多くの示唆を与えてくれる。外出を自粛し、家庭での調理頻度が増える今、“食”の価値や役割とその重要性についてあらためて考える好機。生命に直結する食とその文化の未来を、この本から展望してみてはどうだろう。
 副題は“御師の家に息づく信仰と生活、食文化の歴史”。山梨県富士吉田市を中心に今も残る御師(おし)料理は、江戸時代

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