新型コロナ:JFと生衛業、対策でガイドライン作成 高岡JF会長「国は長期補助を」

外食 ニュース 2020.05.22 12054号 03面
ガイドラインについて説明する高岡慎一郎JF会長

ガイドラインについて説明する高岡慎一郎JF会長

日本フードサービス協会(JF)と全国生活衛生同業組合中央会(生衛業)は、新型コロナウイルス感染症対策として「外食業の事業継続のためのガイドライン」を協力して作成。14日、東京都港区のJFセンター会議室でマスコミ向けに説明会を行った。

同ガイドラインは、4日に政府が決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)」において「事業者および関係団体は、今後の持続的な対策を見据え、業種や施設の種別ごとにガイドラインを作成するなど、自主的な感染防止のための取り組みを進めること」を受けて自主的に作成したもの。

「お客さまを感染から守る」「従業員を感染から守る」を基本に、「飛沫(ひまつ)感染予防のためにパーテーションで区切るか、できるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空ける」などソーシャルディスタンスの確保や手洗いなどの一般衛生管理の徹底を図るなどの内容。

緊急事態宣言下でも経営できる飲食店のモデルを想定しており、今後適宜、状況に応じて内容の変更をしていく。強制力はなく、業種・業態に応じて対応することを求めている。今後、ホームページや文書などで発信していく。より対応しやすいようにチェックリストも作成する予定だ。

伊東明彦全国生活衛生同業組合中央会専務理事は「営業再開への一つの物差しができた。今まで外食を自粛されていたお客さまにコロナウイルス対策ができている店として認知され、お客さまが安心して来店できるようになってほしい」。

小城哲郎全国飲食業生活衛生同業組合連合会専務理事は「営業再開への道しるべとして、実効性の高いものになってほしい」とそれぞれ期待を語った。

●落ち着くのに1、2年

高岡慎一郎JF会長(人形町今半社長)は14日、新型コロナウイルス感染症対策として生衛業と協力して自主的に作成した「外食業の事業継続のためのガイドライン」の発表会で、ガイドライン作成の目的を語った。

ガイドラインは、店内におけるお客さまと従業員のコロナウイルス感染を防ぎ、お客さまに外食の楽しみを提供することが目的。現在の時短営業から、早くフル営業が認められてほしいが、小さな形で少しずつ営業を開始していけたらと思う。

現在、飲食店はテークアウト、デリバリーに活路を見いだそうとしているが、ほとんどが売上げ減の穴埋めにはなっていない。しかし営業を再開してもガイドライン通りにソーシャルディスタンスを取っていたら大部分の飲食店は赤字になる。その分については補助を国にお願いしたい。

東京は2015年ごろからインバウンドで潤ってきたが、コロナウイルスは未知の脅威であり、世界が落ち着くにはまだ1、2年はかかるだろう。私は、1年間は覚悟している。

外食産業を守るために雇用調整補助の拡充、家賃の減免措置など国には長期間にわたる補助をお願いしたい。売上げ40%減でも利益が出るような仕組みを考える努力も必要かもしれない。

今年はインフルエンザ、ノロウイルスの感染被害が激減した。コロナ対策で手洗いなど一般衛生管理が徹底したためだ。飲食店の衛生レベルが上がり、コロナ終息後には外食だから安全・安心だと思われるようにしたい。(金原基道)

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