ヒットの兆し:アサヒビール「アサヒ ザ・リッチ」 値頃価格でぜいたく感

酒類 ニュース 2020.06.01 12059号 01面

アサヒビールが今期、ビール系新ジャンルの重点ブランドとして投入した「アサヒ ザ・リッチ」=写真=が想定を上回る伸びを見せている。新ジャンルの値頃な価格でぜいたく感やご褒美感を気軽に味わえると評価を得た。8日には年間の販売目標を当初の2倍となる800万ケース大瓶換算)へと大幅に上方修正。好評なTVCMやデジタル販促に加え6月からは大規模な商品サンプリングを実施し、大型ブランドへ育成を加速する。

「ザ・リッチ」は3月17日に発売。仕込みの工程で煮沸する時間を短くする独自製法で、豊かな麦の香りやコク深い風味を引き出した。消費者調査で浮かび上がった新ジャンルユーザーの未充足ニーズに対応した味覚設計が評価されているとみられる。

発売前後に俳優の竹野内豊を起用したTVCMを大量投下。竹野内が飲んだ後に「リアリィ?」と驚く印象的な内容で認知度を高めた。5月8日に当初計画の半分に当たる200万ケースを突破したことで、年間計画の修正に踏み切った。

外出自粛によって家飲みが増え、ビール類全体が苦戦する中で、家庭用消費は堅調に推移している。「ザ・リッチ」は夏場の最盛期に向け6月から全国5万人規模のサンプリングを実施し、トライアルをさらに喚起する。10月に酒税改正による増税が控え競争が激化する新ジャンル市場で、ブランド地位をより確かなものとしていきたい考えだ。(丸山正和)

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