胃心伝真=千両みかん

総合 コラム 2023.08.21 12629号 01面

 製配販3層の中で、いまいち役割が分かりづらいといわれる卸(=問屋)。商品配送を軸に古くからさまざまに食品流通を支えてきた。そんな卸の働きを伝えるのが、落語の「千両みかん」▼裕福な呉服屋の若旦那が「ミカンが食べたい」と寝込む。番頭さんは安請け合いするも季節は真夏。八百屋にばかにされ、ミカン問屋でどうにか見つけるが、「一つ千両(今の1億円相当)」と言われてしまう▼問屋は無駄を覚悟で夏中、何百箱もミカンを貯蔵しておく。店ののれんにかけ、何十年に一人の要望に応えるためという。値付け

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