サントリー食品インターナショナル、「天然水」に第4水源 北アルプス信濃の森工場稼働

飲料 ニュース 2021.07.14 12261号 02面

「安定供給」実現目指す「天然水」ブランド

「安定供給」実現目指す「天然水」ブランド

高度なトレーサビリティシステムを有する次世代ファクトリーとなる。

高度なトレーサビリティシステムを有する次世代ファクトリーとなる。

平岡雅文ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長

平岡雅文ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長

澤田元充サントリープロダクツ天然水 北アルプス信濃の森工場工場長

澤田元充サントリープロダクツ天然水 北アルプス信濃の森工場工場長

 ●安定供給実現へ

 サントリー食品インターナショナルの「サントリー天然水」はさらなる「安定供給」の実現に向け、日々、挑んでいる。度重なる自然災害への備蓄需要などから、「生活必需品」化が進むミネラルウオーター(MW)の需要はさらに高まりを見せる。同社は、これに対応し、生産能力の増強を図るべく、同ブランド第4の水源となる「北アルプス」に「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」(=写真、長野県大町市)を5月31日から稼働させた。また、20年11月からは「南アルプスの天然水」など3水源の名称から「サントリー天然水」という商品名に統一した。これによって平時は3水源に応じたエリアに供給をしながら、有事の際には各水源エリアに限らず、全国への展開が可能になるなどスムーズな供給体制を実現している。

 9日にオンラインで開催した発表会で、平岡雅文ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長は「MW市場は、ここ30年間で、約30倍に拡大している。MWは飲用需要に加え、備蓄需要が拡大するなど、『生活必需品』としての浸透が進む。なくてはならない存在として、人の営みに寄り添うため取り組む同ブランドとして、『いつでも、どこでも安心して使用いただける』ように安定供給に取り組むことは大切な要因となる。特に自然災害発生時には、安定供給への難易度と重要性は高まり、平時からの備えが必要となる。新工場稼働による生産能力の向上や商品名統一による供給能力の強化に加え、水源涵養(かんよう)や“もしもに備える大切さを伝える”『防災継承』などに取り組み、安定供給に努めていく」と意気込みを語った。

 6月末から「サントリー天然水 北アルプス」の出荷を開始した「北アルプス信濃の森工場」は、生産能力1500万ケース/年(充填速度・2L360本/分、550ml1000本/分)を誇る。また、商品1本ごとに製造・検査履歴情報と品質情報をひもづけて統合管理する、高度なトレーサビリティシステムや同社工場初採用となるトラックへの積み込みを自動化する「トラックローダー」など、全体最適化や進化をし続ける次世代ファクトリーとなる。加えて“清冽(せいれつ)な天然水”のブランド体験ができるフィールドとしての役割を持つのが特徴だ。

 澤田元充サントリープロダクツ「天然水北アルプス信濃の森工場」工場長は「“未来のこども達にも、今と同じ美味しい天然水を提供したい”をコンセプトに、安全・安心な製品の提供や『北アルプス』の魅力などを伝えながら、地域との絆も深めていきたい」と語った。(本吉卓也)

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