新型コロナ:外食産業市場動向3月度売上げ 東日本大震災超える17.3%減

外食 ニュース 2020.04.29 12045号 02面
21日午後6時半の東京・新宿の歌舞伎町。メーン通りのゴジラロードはガラガラ

21日午後6時半の東京・新宿の歌舞伎町。メーン通りのゴジラロードはガラガラ

日本フードサービス協会は27日、協会会員社を対象とした「外食産業市場動向調査2020年3月度」の集計結果を発表した。調査は新規店も含めた全店データを業界全体および業態別に集計し前年同月比を算出したもの。

3月の売上げは新型コロナウイルスの影響によって前年を大幅に下回る結果となった。政府が大規模イベントなどの自粛を要請した2月下旬以降、店内飲食の客数減少が顕著で、居酒屋・ディナー系など飲酒業態を中心にファミリーレストラン、大型商業施設のフードコートなどが打撃を受けた。東京都が週末外出自粛を要請した3月下旬以降、さらに客足が落ち、3月の全体売上げは82.7%となり、東日本大震災時(前年比89.7%)を超える減少幅となった。

また、政府が緊急事態宣言を発令した4月以降、店舗の時短営業や休業が相次いでおり、4月は3月以上の落ち込みが予想される。(岡安秀一)

〈業態別概況〉

▽ファーストフード業態

テークアウト、宅配、ドライブスルーなど持ち帰り需要が下支えしたが、商業施設のフードコートをはじめ店内飲食の客数が振るわず93.1%。洋風、和風、その他は店内飲食の減少を、持ち帰りが下支えし、それぞれ99.1%、92.8%、90.7%。麺類は商業施設立地の落ち込みが大きく81.4%。持ち帰り米飯・回転寿司は弁当・惣菜、回転ずしのテークアウトなどの持ち帰り部分の下支えがあったが、回転寿司の店内落ち込みが大きく88.3%。

▽ファミリーレストラン業態

全体は78.8%と前年を大幅に下回った。洋風と和風は月後半にかけて客数が一段と下がり、それぞれ75%、69.6%。中華はギョウザなどのテークアウト・デリバリーが下支えとなり90.4%。好調だった焼肉も前年を下回り93.3%。

▽パブ・居酒屋業態

本来は送迎会の宴会需要が大きいが、キャンセルが相次いだ。郊外立地や地域密着店などでは下げ幅が小さい店もあったが、政府の自粛要請と東京都の週末外出自粛要請による2段階の落ち込みを受けて、パブ・ビアホールは前年の半分に届かず46.5%。居酒屋は売上げ58.6%。

▽ディナーレストラン業態

繁華街立地店の一部では、ほぼ集客皆無の日があるなど、時短営業や休業を余儀なくされる店が増えて59.5%。

▽喫茶業態

商業施設立地店の落ち込みが大きく、路面店でも客足が落ち75.3%。

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