今春注目のプラントベースフード コロナ禍の健康志向を追い風に新たにスタート

大豆ミート市場はカテゴリーが多様化

大豆ミート市場はカテゴリーが多様化

2021年の春季新製品の注目点の1つ、プラントベースフードが新たなスタートを切った。消費者が手にしやすいようにカテゴリーが多様化し、自然な形での浸透を考慮していることもうかがえる。大豆ミートの活用は、「素材系」から「レトルト製品」「冷凍食品」「惣菜」「パン(フィリング)」、そして「外食メニュー」と幅が広がっており、選択肢が増えたことは市場拡大への一歩といってもよい。ビーガンやベジタリアンが少ない日本ではまだまだ“消費者の需要”という域に達していない部分もあるが、「代替肉」をヘルシー志向の延長線上と考える人も多い点では、コロナ禍で健康志向に拍車がかかっているのも追い風か。6つのカテゴリーで今春注目の商品を紹介する。

【素材系】大豆で作ったミンチも

イオン「トップバリュ <大豆からつくったミンチ>」(100g当たり/138円税別)では大豆の原料の一部にオレイン酸含有量が多い3品種の大豆を発芽させた「発芽大豆」を使用。同シリーズ<大豆からつくったハンバーグ><大豆からつくったハンバーグ(豆乳クリーム入り)>(2個入/298円税別)も同時発売。3月17日から東京・千葉・神奈川・埼玉の限定49店舗で順次展開。

「トップバリュ <大豆からつくったミンチ>」

マルコメ「大豆のお肉 <和風ブロック><洋風ミンチ><中華風フィレ>」(80g/オープン価格)は「LA BETTOLA da Ochiai」オーナーシェフ・落合務氏監修。大豆ミートに、それぞれ和洋中ベースの下味を付けた。レトルトタイプで湯戻し不要、すぐに調理できる。3月上旬から全国発売中。

「大豆のお肉」

【レトルト】大豆ミートを具材に

ニップン「オーマイ <SOYボロネーゼ>」(220g:2人前/200円税別) はソースの中の具材として、大豆ミート使用。粗挽き挽肉のようなごろっとした食感が特徴。トマトと香味野菜でうまみ豊かに仕立て、おいしく植物性タンパクを摂れる。2月19日から全国発売中。

「オーマイ <SOYボロネーゼ>」

ヤマモリ「2050年カレー <中辛のキーマカレー>」(160g:1人前/300円税別)は大豆を使った代替肉を本物の肉の味わいに近づけるために独自技術を開発し、第1弾の時よりもより肉を使ったものと変わらないおいしさを実現。第1弾は中身でも食料危機の衝撃を表現するために3品すべてを激辛に仕立てていた。 2月9日から全国発売中。

「2050年カレー <中辛のキーマカレー>」

【冷凍食品】健康志向やビーガンに対応

ニチレイフーズ「大豆ミートのハンバーグ」(140g:2個/オープン価格)は大豆ミートを数種類組み合わせ、肉のような食感やジューシー感を再現。 ハンバーグ1個当たりイソフラボンが約25mg摂取できる。また肉を使用したハンバーグと比較し、コレステロールを約95%抑えることができる。3月1日から全国発売中。

「大豆ミートのハンバーグ」

ニップン「オーマイ 豆腐から作ったお肉のボロネーゼ」(300g:1人前/オープン価格)は動物性の原材料不使用。野菜のうまみを生かしたやさしい味わいのソースで、かみ応えのある食感の大豆由来の肉を味わえる。NPO法人ベジプロジェクトジャパン認定ヴィーガンマーク取得。 3月1日から全国発売中。

「オーマイ 豆腐から作ったお肉のボロネーゼ」

【惣菜】大豆ミートでサラダチキンも

伊藤ハム「まるでお肉!大豆ミートの <サラダチキンタイプ ハーブ&レモン><サラダチキンタイプ ペッパー&ガーリック>」(100g/ 280円税込)は同社初の大豆ミート商品。まるで肉のように仕上げたサラダチキンタイプ。 長年の加工品のノウハウを生かし食感、味、香りともに肉のようなおいしさに仕上げた。炒めるだけの簡単調理の「まるでお肉!大豆ミートの <焼肉炒め><うま塩炒め><にんにく味噌炒め>」も展開。3月16日から全国発売中。

「まるでお肉!大豆ミートの <サラダチキンタイプ ハーブ&レモン>」

プリマハム「Try Veggie(トライベジ) <大豆のお肉で作ったハンバーグ><大豆のお肉で作った甘酢ミートボール><大豆のお肉で作ったミニフライドチキン><大豆のお肉で作ったミニメンチ>」(<ハンバーグ・ミートボール>67g<フライドチキン><メンチ>63g/128円税別)はマルコメとの共同開発商品で、同社「ダイズラボ」の大豆ミートを使用。定番の人気メニューを手に取りやすい価格帯、食べきりサイズで提供することで、大豆の肉のトライアル層の取り込みを目指す。3月1日から全国発売中。

「Try Veggie(トライベジ)」

【パン】大豆ミートとパン生地を相性良く

敷島製パン「大豆ミートメンチカツのふわふわバーガー」(1個/オープン価格)は大豆ミートを使用したメンチカツとマヨネーズを、パンではさんで焼き上げた。まるで肉のような食感の大豆ミートメンチカツとふわふわ食感のパン生地の相性がよく、おいしく食べられる。4月1日から関東・中部・関西・中国・四国の食品スーパーやドラッグストアなどで発売。

「大豆ミートメンチカツのふわふわバーガー」

山崎製パン「ランチパック <メンチカツと野菜カレー 大豆ミート>」(2個/オープン価格)は1袋で2つの味が楽しめるアソートで、肉のような食感の大豆ミートを使用。白いパンには大豆ミートのメンチカツとソースを、全粒粉入りパンには大豆ミート入り野菜カレーをサンドした。 1月1日から全国の食品スーパーやコンビニなどで発売。

「ランチパック <メンチカツと野菜カレー 大豆ミート>」

【外食】プラントベースの新業態店舗も

コメダ珈琲は昨年夏、東京・東銀座にて、原材料をプラントベースとした新業態店舗「KOMEDA is (コメダイズ)」をオープン。提供中の「べっぴんバーガー」(1280円税別)は、現在4種類あるがいずれも、大豆由来100%。他にも「大豆ミートのボロネーゼ」やサステナブルなコーヒーなどを揃える。

「べっぴんバーガー」

食品産業の革命には高いハードルも

2019年末によく目にした“食品業界における動向予測”というと、「プラントベースフード」、特に「代替肉」の活発化を挙げるものが目立った。東京オリンピック・パラリンピックも予定されていた中で、インバウンド需要も含め、2020年は日本も代替肉市場の幕開けという声が多かったように思う。SDGs(持続可能な開発目標)の理念に賛同する食品企業を中心に商品開発が世界的に進み、日本も同様の流れとなる“予定”だった。

しかし2020年が明けると、世の中は新型コロナウイルスに翻弄され、人々はいまだかつてない生活様式を送ることを余儀なくされた。当然食生活にも変化があらわれ、外食自粛・巣ごもり需要などで、2020年前半はいわゆる定番食品の安定供給が優先され、日本ではまだ特定の人々にしか求められていない「プラントベースフード」「代替肉」は“後回し”になってしまったのが正直なところだろう。

しかし水面下では、各食品企業は社会的使命をもって商品開発を継続していた。短絡的なブームや話題性だけで終わるテーマではないため、じっくりと取り組んでいるといった印象だ。ただし、手頃な価格帯の設定と共に、かねてから消費者の深層に潜む「どうせおいしくない」といった思い込みを払拭する、新たなイメージ戦略や仕掛けも大事なポイント。さらに、比較的、固定概念に捉われない若い世代へのアプローチも鍵となるだろう。

また今後は、あらためて「ビヨンド・ミート」「インポッシブル・フーズ」のような海外企業が日本に乗り込んでくる可能性もある。味の向上・価格設定・戦略・海外製品との競争など、食品産業の革命には高いハードルが待っている中で、“日本市場”が求めていることを的確に捉えていくことが重要だ。(月刊食品新製品トレンド編集長 武藤麻実子)

最大30日間無料購読する

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら