新しい生活様式に対応し消費マインドをつかむ10の食品カテゴリー

2020年は新型コロナウイルスの影響で定番品の安定供給が優先されたものの、新製品界隈は決して低迷したわけではなく、むしろ早々に“新しい生活様式“に対応したアイテムや、コロナに打ち勝とうという意味での健康訴求製品が登場し、活発化したカテゴリーもあった。また当初の在宅時間が長い中での巣ごもり消費と、約1年経た現在の巣ごもり消費に変化が出ている。調理などに時間をかけられる半面、テレワークの中での3食の用意などの負担も見えており、需要内容はコロナによる生活スタイルの先行き不透明感とともに変わっていく可能性はまだ高い。2021年の新製品動向の参考になるべく、月刊「食品 新製品トレンド」編集部がセレクトした、過去1年間の「注目の新製品」を、“消費マインドをつかむ10のカテゴリー”に分類して紹介する。

【免疫力】感染対策は自分自身のカラダ作りから

2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年であり、かくも健康への一歩が簡単に崩れていくかを目の当たりにした日々であった。ようやくワクチンが開発されたものの、変異種の発生などまだ油断はできない状況だ。

「キリン iMUSE レモン」(キリンビバレッジ)

そんな中、2020年に注目を集めたヘルシーキーワードが【免疫力】。免疫力とは、病原菌やウイルスなどの異物から体を守る機能のことだが、その免疫アップのための食材を採用した新製品が多く登場。かねてから人気の高い乳酸菌をはじめ、発酵食品、野菜などを積極的に取り入れる提案が盛んであった。

【新しい健康志向】生き生きとした毎日をサポート

コロナへの対策は大きなテーマだが、やはり大切なのは“日々の健康管理”。日常的にヘルシーな食生活を心掛けたいと誰しもが思う中で、毎年なにかしら新しい健康要素や素材を研究し、われわれの健康志向を活性させる業界努力を忘れてはならない。

「オートミール <きのこクリーム>」(旭松食品)

高齢化社会らしい“記憶力”に着目したアイテム、健康な歯ぐき維持、薬膳、ハーブと切り口は多彩。自粛により在宅時間も増えた中でオンラインのイベントも増えた影響だろうか、eスポーツ向けドリンクも増えてきた。

【コロナ太り】低カロリーで満足感の高いアイテム登場

2020年春、緊急事態宣言が全国を駆け巡り、人々は家庭内にとどまることが増えた。すべての外出を控える、という要請に従った結果、個人の新しい悩みが生まれた。それが【コロナ太り】。太りやすい環境を整えてしまったとも感じられる自粛生活だが、急な生活環境の変化でストレスによるものも大きそうだ。

「キリン一番搾り <糖質ゼロ>」(キリンビール)

ただし、このまま運動不足が続くと生活習慣病の予備軍にもなりかねない。そこで低カロリーでありながら満足感の高いアイテムや、コロナ対策としてのカラダ作りと併せ、かねてから注目を集め始めていたプロテイン商材も盛り上がった。

【プラントベースフード】世界的に開発が活発化

SDGs(持続可能な開発目標)の理念に賛同する食品企業を中心に、プラントベースフード(植物性食品)の開発が世界的に活発化している。オリンピックも予定されていた中で、2020年は日本も代替肉市場の幕開けという声もあったが、コロナ禍で定番品供給が優先された。しかし企業の社会的使命も含め商品開発は継続。2021年は自然な形での浸透も含め、新たなスタートの年となりそうだ。

「Try Veggie <大豆のお肉で作ったミニフライドチキン>」(プリマハム)

ビーガンやベジタリアンが少ない日本ではまだまだ“消費者の需要”という域に達していない感もあるが、ヘルシー志向の延長線上と考える人も多い。手頃な価格帯の設定と共に、「どうせおいしくない」といった思い込みを払拭するイメージ戦略や仕掛けも大事なポイントだろう。

【素材を生かした食品開発】シンプルにうまみを楽しむ

食品メーカーの大きな仕事の1つが、原料調達といっても過言ではない。安定供給はもちろん、安全で安心のこだわり抜いた素材を探し出すことが商品開発の基本である。

「SABACHi」(味源)

これまで加工食品は、加工してこそのおいしさを提供してきた。しかし、せっかく選び抜いた素材のよさを、そのまま味わってもらうコンセプトの商品が急増。シンプルに素材のうまみを味わう提案に、消費者も驚きが隠せないはずだ。

【本能に訴えるおいしさ】狙うは女子ゴコロ?

「おいしそぉ~~~!」のセリフに勝る食品の訴求力はあり得ないのではないか。昨今は“頭で食べる”ことが多いわれわれの食事情だが、本能に訴える“おいしさ”の効果は抜群だ。またこうした商品に敏感なのは「女子」。女性ならではの鋭い視点と発見力によるものが大きく、メーカーの狙いをうまくくみ取ってくれるのも女性が長けている。

「ショコラブレッド」(敷島製パン)

女子ゴコロをうまく突いたキラキラな商品は、業界をもキラキラさせてくれるといっても過言ではないのでは?

【新しい味覚の創造】ちょっとコレ変じゃない?で話題喚起

消費者の興味をくすぐり、そして新しい味覚の創造につながる商品開発ができるのも食品ならでは。店頭で「ええっ?」と二度見させたら、半分は成功しているといえるだろう。「こんな方法があったのか!」「こんな味ってアリなの?」「……でも食べてみたい!!」

「森永おいしいトマトヨーグルト」(森永乳業)

驚きが話題を呼び、購入へつなぎ、SNSでの拡散…のあとにやってくる2度目の驚きが「(意外に)おいしい!」この一連の流れを楽しむことを、メーカーも消費者もやめられない。

【ますます便利で、ますますおいしく】在宅が増えても時間がない人は多い

働く環境の変化や単身・高齢世帯の増加、女性の社会進出の活発とともに“時間がない”人々が増えている。またコロナによる在宅時間が増え、じっくり料理時間を取れるという半面、3食を作るのはとても大変なことなのだ。

「もう包まない!混ぜ餃子の素」(昭和産業)

いままでもササッと簡単に食事が作れる商品は多々あったが、洗い物が不要、準備が不要、火の用意が不要、と輪をかけて便利度が進化。だからといって、味がおそろかになっていない。本格的な味を求める声と、便利を求める声の両立を可能にした製品群がそろっている。

【パッケージ進化】包材の革新技術が食文化をも変えるか

食品の味の進化とともに、革命を起こしているのがパッケージだ。調理器具や調味料不要といった“便利”を目的としたアイテムもあれば、究極の使い勝手を具現化した製品もある。

「アサヒスーパードライ <生ジョッキ缶>」(アサヒビール)

洗い物が不要、電子レンジで完結、使う量の調整など、細かいところまでを想定したきめ細やかさは日本人ならではの発想か。またパッケージの工夫を凝らして、見た目や食べ方・飲み方を楽しくさせてしまうアイデア商品にはつい感嘆の声が漏れてしまう。

【形を変えて価値UP】ブランド力や定番品の変化球

これだけ新製品が登場する日本の食品だが、実は保守的な部分も多い。定番ブランド製品に対する“信頼感”“安心感”は、かなり大きな財産だ。そこで近年非常に多いのが、ブランド力を生かした縦横展開である。よく知っている今までの製品が、ちょっと進化したり、健康要素が付加されたり、食べ方を変えたりと、冒険ともいえる提案をしている。

「クレイジーソルト <バターライスの素>」(ニチフリ食品)

よく知っているブランドなら失敗はあり得ないという気持ちと、いつもの味からどう変わっているかという検証も含め、消費者の注目度は高まる。

「ファベックス2021」で注目の新製品130点を展示

日本食糧新聞社が発行する月刊「食品 新製品トレンド」では、毎月「注目の新製品」として、新規性の高いコンセプトやユニークな切り口、新技術の採用といった基準で製品をピックアップし掲載しています。4月21~23日、東京ビッグサイトで開催する惣菜・デリカ・弁当・中食・外食業界の業務用専門展「第24回ファベックス2021」(日本食糧新聞社主催)では、月刊「食品 新製品トレンド」が選ぶ注目の新製品コーナーを設置します。上記の10個のテーマにあわせて、商品を合計約130点掲示予定です。

また「食品新製品トレンド」ダイジェスト版も無料配布します(数量限定)。是非ご来場と共に、当コーナーへお立ち寄り下さい。

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