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酒類流通の未来を探る2018.09.08 11760号 01面

新制度スタート順調も“定着”への道遠く 酒の価値、再考へ

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2018.09.08 11760号 01面

アサヒビールの若手社員が開発した「クリアクラフト」。透明な液色でビールのような味わいが、従来なかった新しいアルコール飲料として注目を集める
アサヒビールの若手社員が開発した「クリアクラフト」。透明な液色でビールのような味わいが、従来なかった新しいアルコール飲料として注目を集める


 戦後最大の転換といわれた改正酒税法の施行から1年。日本の酒類業界が新たなステージを走り始めている。

 17年6月を境として酒売場の目玉であるビール類を中心に店頭価格が上昇。納価アップにより卸業の利益率は上がり、大手卸の17年度決算は多くが増益での着地となった。小売業も酒類分野の利益が改善し、国が主導したコストオン取引への転換はひとまずは順調に滑り出したということができた。

 だが、店頭価格の上昇が消費に影響を与えるようになると状況は一変。昨秋ごろから小売業から卸への相見積もり要・・・
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