日本食糧新聞社制定「第9回地域食品産業貢献賞」 功績たたえ7社選定
厳選な審査を重ねた選考委員会
日本食糧新聞社制定「第9回地域食品産業貢献賞」の受賞企業が決定した。同賞は地域の優れた食品企業を顕彰するもので、全国の候補から選考委員会が▽地域食品産業貢献=オイシス、オリオンビール、カネス製麺、群馬製粉、北海道アイ、山本漢方製薬▽地域食品ロングセラー貢献=名糖産業–の7社を選んだ。表彰式は9月16日、東京・新橋の第一ホテル東京で開催される。(安田陽子)
地域食品産業貢献賞は本紙創刊70周年を記念して制定したもので、全体のおよそ8割を地場産業的な中小零細企業が占める日本の食品産業界で、地域経済や社会発展など持続可能性を持つ「市民企業」として大きく貢献した、先駆的な事例となる優良企業を選定。その業績、功績をたたえて表彰するもの。
9回目を数える今回は、名産品の積極活用を軸に地域市場を活性化するオイシス、沖縄発のビール文化発展に貢献したオリオンビール、斬新な商品開発で乾麺市場を盛り立てたカネス製麺、国産米粉の振興に尽力する群馬製粉、30年にわたって道産食材の拡販に注力する北海道アイ、画期的な青汁や健康茶の開発に努める山本漢方製薬の6社が「地域食品産業貢献賞」に、1953年からチョコレートの普及に努めてきた名糖産業が「地域食品ロングセラー貢献賞」に選出された。
わが国食品産業の発展の一翼を担う企業の中から、日本食糧新聞社の北海道から九州までの全国10本支社局から推薦された企業のうち、日本食糧新聞社の役員が選考委員となり、厳正なる検討を重ね選考した。
今年は昨年に続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって緊急事態宣言が何度も発令されて多くの産業が影響を受けた。居酒屋を含む外食産業では営業時間や酒類提供が大きく制限され事業縮小を余儀なくされる中、食料や消費財などを供給するメーカー・生産者、ライフラインを支える小売をはじめとする流通業者、医療機関など多くの方々がCOVID-19への感染の危険を顧みず前線に立ち、コロナワクチン接種の遅れなど見えない不安と戦いながら生活者の命をつないだ。そうした中、スポーツの祭典である東京2020大会が開幕した。
一方でコロナ以前からの長期課題として解消が進まない少子高齢化問題、慢性的な人手不足に国内経済は疲弊が続く。その中で地域に根差し、伝統や培われた技術に裏打ちされた類いまれな商品を世に送り出す企業も数多くあり、今回受賞の7社もその代表的な存在といえる。
◆第9回地域食品産業貢献賞 受賞企業(五十音順)
受賞企業(本社所在地) 主な貢献内容
【食品産業貢献】
オイシス(兵庫県神戸市) 名産積極活用、地元関西を盛り上げ 池野新社長、地域食材で貢献目指す
オリオンビール(沖縄県豊見城市) 完全循環型大麦ビジネスモデルを推進 沖縄エリアでのビール文化発展に貢献
カネス製麺(兵庫県たつの市) 社員一丸で乾麺供給 巣ごもり需要対応 大容量やキャラクター商品で新風吹き込む
群馬製粉(群馬県渋川市) 著名シェフ巻き込み国産米粉普及拡大 国際基準に準拠し米粉輸出企業を応援
久原本家グループ北海道アイ(北海道札幌市) 北海道産食材にこだわり続け30年 産学連携を通じ地域社会の発展を推進
山本漢方製薬(愛知県小牧市) 「大麦若葉青汁」で青汁市場をけん引 健康茶でもトップシェア商品多数
【ロングセラー貢献】
名糖産業(愛知県名古屋市) チョコレートが身近なロングセラー商品へ 粉末飲料の普及と健康増進への貢献