県の逸品:新潟県 越のむらさき「越のむらさき」 だし醤油文化を定着

醸造の街、長岡市摂田屋に本社を置く醤油メーカーの越のむらさきは、だし入り加工醤油「越のむらさき」ブランドで県内加工醤油市場の圧倒的なシェアを誇る。だし醤油文化になじみがなかった新潟で、40年以上前から地道に定着を図りロングセラー商品に育成。近年は簡便性が求められ、万能調味料としてあらゆる用途に対応できると好評だ。

同社は天保2(1831)年、江戸時代から醤油造りを始めて180余年、老舗として高品質な商品作りをかたくなに守り続けてきた。真心を込めた“越の味”は、地元だけでなくギフトや通販などで、全国各地にファンを広げている。

「越のむらさき」は、代々続く醤油製造法をベースに、独自のだし抽出法で国内産の厳選鰹節を使い、上品に仕上げた逸品。塩分・色ともに薄めで、かけ醤油としてだけでなく、調理用途にも最適。現在同社売上げの8割を占める主力商品だ。

家族構成の変化で大容量が減少傾向の中、2014年に県内メーカーで唯一密封容器を採用し、小容量の新たな需要を創出した。

笠原均社長は「1L以上は普段の料理用途、密封ボトルは食卓でかけ醤油として使われている」と分析。保存性が高いため、外食での採用も近年高まる。惣菜や弁当の調味料でもブランド力を発揮。地元SMの味付け肉のたれや、PB商品にも採用されている。

つゆや醤油は地域の味がある。地元の味を守り売価を超える価値を今後も提供していく。(山本大介)

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