3月GMS・SMの食品売上高、備蓄需要で伸長

小売 統計・分析 2020.04.29 12045号 12面

3月の総合スーパー(GMS)、食品スーパー(SM)の既存店ベースの食品売上高は先月に続いて前年を大きく上回った。日本チェーンストア協会(JCA)統計による食品の既存店売上高は前年同月比7.1%増。日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、全国スーパーマーケット協会(NSAJ)のSM3団体統計(速報版)も食品で同8.4%増だった。

新型コロナウイルスの影響による外出自粛で家庭の備蓄需要が高まり、JCA統計ではその他食品が同8.6%増、SM3団体の統計でも一般食品が同12.0%増と2桁以上の伸長で食品全体をけん引した。

SM3団体による景況感の4月調査(3月実績)は景気判断DI(指数50で横ばい)の現状判断で50.8と前月より2.9ポイント増加して横ばいを上回った。一方、見通し判断は36.9と2.1ポイントのマイナスだった。店舗周辺地域景気判断DIが大幅な悪化で景気の先行き不安は拡大している。

SM3団体は「新型コロナウイルスの影響が続く中、食のライフラインとして在宅率の高まりで内食需要を支える存在として位置付けられた。営業継続に向けた努力に社会からの理解が広がっている」とコメントした上で、「需要増による人手不足と従業員の疲弊、感染予防の対策強化が求められる中での対応は容易ではないが、今後も地域を支える取組みを期待したい」とエールを送った。

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