新型コロナ:SM各社、大型連休を控え混雑緩和に尽力

小売 ニュース 2020.04.27 12044号 01面

 大型連休を控え、旅行などの外出を自粛して多くの人が近隣店舗へ来店すると見込み、食品スーパー各社は混雑緩和のための工夫や取組みに尽力する。サミットはホームページで混雑情報を提供し、ライフコーポレーションは少人数での来店や感染拡大防止の取組みへのお願いを利用客に異例のお願いをした。東京都は23日に買い物を3日に1回程度にするよう都民に呼び掛けた。当初、報じられていた入店の人数や時間制限など一律の厳しい規制やルールが見送られたため、現場の混乱や従業員の負担増を懸念していた業界団体も胸をなで下ろした。(山本仁)

 サミットはホームページの各店舗ページにあるグーグルマップの店舗情報へのリンクボタンを設け、「混雑する時間帯」から現在の混雑状況を確認できるようにした。グーグルがロケーション履歴を有効にしているユーザーの匿名データを基に、時間帯別の混雑状況を棒グラフで示したもの。すべての来店者を反映したものではないが、混雑時間帯を避けるための来店の目安として情報提供したもの。

 ライフコーポレーションは利用客に混雑緩和のため三つのお願いを出した。(1)複数人数での来店はできる限り、避けてほしいこと。状況によって入場制限をする場合への理解のお願い(2)店内では他の客との距離を空けて買い物をしてほしいこと。レジでは待つ場所が分かるようラインを引いている(3)来店の際はできる限りマスク着用の上、入店前には店頭備え付けの消毒液などの利用をお願いする。

 全国スーパーマーケット協会は23日の都の判断について、「一部で伝えられたような店舗や従業員への過度な負担、客からの苦情の増加、担当の従業員の感染リスクが高まる可能性などが、指摘されたルールの導入についての言及が見送られた点に安堵(あんど)している」とコメントした。

 ●都、買い物3日に1回呼び掛け

 東京都は23日の記者会見で、小池百合子都知事は都民にスーパーなどへの買い物を3日に1回程度に控えるよう呼び掛けた。入店人数や時間などの制限は要請しなかった。

 スーパーも地域性があり、店によって立地や規模が異なるため、一律の制限を取るのは難しいと判断したため。今後も業界と話し合い、密閉・密集・密接の「三密」を避ける有効な手だてを講じる考え。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

書籍紹介