メニュートレンド:ビールに迫る「6種のレモンサワー」

2022.08.01 522号 02面
写真1 レモンサワー各種 各750円(税込み)

写真1 レモンサワー各種 各750円(税込み)

写真はソムリエの面上氏。「ソムリエが考案したレモンサワーと説明すると皆さま、興味を持ってくださる」(面上氏)と言う

写真はソムリエの面上氏。「ソムリエが考案したレモンサワーと説明すると皆さま、興味を持ってくださる」(面上氏)と言う

ウオッカやジン、ラムに大量のレモンを漬け込んだ原酒を使うレモンサワーは、焼酎で割るおなじみのレモンサワーとはまた違った風味になる

ウオッカやジン、ラムに大量のレモンを漬け込んだ原酒を使うレモンサワーは、焼酎で割るおなじみのレモンサワーとはまた違った風味になる

 レモンサワーの人気が盛り上がっている昨今だが、レモンサワーを大胆にメニュー拡大したのが、「モランボン本店」だ。同店では魅力の異なるレモンサワー6品を展開し、「焼肉+レモンサワー」ファンを増やしている。各種レモンサワーだけで、注文数において圧倒的王者のビールや「上タン塩」と肩を並べる日もある人気ぶりだ。

 ●バリエーション展開で売上げ5倍に

 一頭買いの仙台牛を提供する老舗焼肉店「モランボン本店」では、創業50周年を機に5月からレモンサワーを6種類に拡大した。同店は焼肉に合わせるワインの提案に以前から力を入れており、ソムリエが常駐している。数々のレモンサワーはすべて、ソムリエとバーテンダー経験のあるスタッフが約2年間をかけて試作を重ね、「焼肉に合うレモンサワー」を追求した自信作だ。

 「コロナ禍で酒類提供が制限されていた時期に、それでもソムリエの腕を生かすには、どうすればいいか。そう考え、レモンサワーの開発に取り組んだ」と、ソムリエの面上友助氏は語る。

 焼酎+搾ったレモン+炭酸水を合わせた既存メニューの「生搾りレモンサワー」に新たに加わった5品は、それぞれ異なる原酒を使用し、炭酸水で割って提供する。

 一番人気の「50周年プレミアムレモンサワー」は、ジンとスピリタスで約5Lに氷砂糖と50個ものレモンを漬け込んだ原酒を使用。同品はリピート率が断トツに高く、「一度注文したら皆さま、お代わりも必ずこればかりになります(笑)」(面上氏)と言う。

 「自家製レモンサワー」は、約2Lのウオッカに氷砂糖、レモン25個を漬けた原酒を使用するスタンダードなタイプだ。この原酒にさらに和山椒、鷹の爪、シナモンなど7種類のスパイスを加え、ブラックペッパーを振ったのが「焼肉専用スパイスレモンサワー」。和山椒の隠し味が絶妙で、「ワインのマリアージュの考え方です。山椒やワサビは、食材とお酒の相性を格段に良くする」(同)と、ソムリエの発想が生かされている。

 「自家製さわやかレモンサワー」は、ホワイトラムに氷砂糖、レモンライム、ローズマリーなどを漬けた原酒にミントを添えた一品だ。「特製オリジナルコークレモン」は、自家製クラフトコークで割って提供する。

 レモンサワーのバリエーション展開というと割り材を変えるだけの例が多いが、同店では原酒と付与する風味を変え、異なる魅力を打ち出しているのだ。

 メニュー拡大以降、同店のレモンサワー全体の日販は20~30杯。コロナ前の19年と比較すると、レモンサワーの売上げはなんと約5倍以上に。また、「レモンサワーに人気が集中していますが、実はビールの売上げを引っぱるようなことにもなっていない。純粋にドリンクの注文数が底上げされた形ですね」と、面上氏は明かす。

 同店では「焼肉+レモンサワー」が目当ての来店客が着実に増えており、「レモンサワーは、まだ多彩にアレンジできる。こだわりのクラフトジンを使った究極のレモンサワーなども開発したい」と、レモンサワーのさらなる魅力拡充を目指している。

 ●店舗情報

 「モランボン本店」

 経営=モランボン/店舗所在地=東京都府中市府中町1-7-2 さくら食品館4階/創業=1972年/席数=17卓84席/営業時間=12時~14時、17時~22時、土日祝12時~14時、16時~22時。火曜休

 ●愛用食材・資材

 「GABAN ブラックペッパー(ホール)」 ギャバン(東京都中央区)

 さすが、の安定感

 「焼肉専用スパイスレモンサワー」の提供時、同品をミルでひいて加え、風味を付ける。「やはりギャバン製は品質に安定感がある。特にスパイスレモンサワーは原酒に7種類のスパイスを使っていて、レモンも意外と個性が強い。この強さに負けない香りとバランスのよい刺激が加えられるブラックペッパーを探して、同品に行き着いた」と、面上氏は言う。

 規格=100g

 【写真説明】

 写真1:写真前列左から「50周年プレミアムレモンサワー」「焼肉専用スパイスレモンサワー」「自家製さわやかレモンサワー」、後列左から「自家製レモンサワー」「特製オリジナルコークレモン」(すべて750円・税込み)。既存の「生搾りレモンサワー」も含め、選択肢が6種類も用意されていると、「次はこれを味わってみたい」と注文を誘われる

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