喫茶店はいま 二毛作のパイオニア「プロント」の場合

1992.04.06 1号 11面

喫茶店、パブ・スナックの売上げパターン(二五坪の場合)は、図の通りになるが、喫茶店の弱点は、夜に客足が鈍るということである。逆にパブ・スナックは、夜の10時台がピーク。では、一店舗で、この客の流れをつかもうというのが、今日的言葉になっている二毛作ということである。このパイオニアが「プロント」という店である。この店は、㈱ブレス(東京都中央区銀座、03・3571・8531)が本部となり、チェーン展開を行っている。同社は、資本金一億七〇〇〇万円で、サントリー五五%、UCC上島珈琲四五%の出資で設立された会社である。

この「プロント」の発想の原点は、狭い土地空間をいかに有効に使うかということからはじまり、サントリー、UCCの店舗展開をする際の両社の弱い部分を補うことから始めた。まず、UCCはコーヒー、サントリーはアルコール分野ということで、それぞれが検討に入った。そして、出来上ったのが「プロント」である。ここで、両社が確認したことは、昼間を中心に夕方5時までは、アルコールは一切ださずコーヒー一杯一五〇円のコーヒーショップ。5時以降は、コーヒーなしのアルコールとはっきりわけることにした。銀座五丁目店の場合は、昼間コーヒーを飲みにくるサラリーマンが、また、夜、同僚と飲みにくるケースが多いという。日本の場合、居酒屋はあるが、手軽にビール、洋酒を飲むショットバーが極端に少ない。このため「プロント」の出現は、若者にとって、安い料金で洋酒が飲める場が与えられ、それなりに人気がある。昼と夜のメニュー価格をみると次の通り。

▽昼・ブレンドコーヒー一五〇円、エスプレッソ一五〇円、カフェオレ二〇〇円、アイスコーヒー二〇〇円、紅茶二〇〇円、ジュース二三〇円、焼きたてパイ一三〇円、テニッシュ一四〇円、サンドイッチ二二〇円からで、飲料は約二〇種、パン類は三〇種。

▽夜・サントリー角瓶三八〇円、アーリータイムズ四五〇円、ジントニック四八〇円、モスコミュール四八〇円、生ビール(ビルスナー)四三〇円、生ビール(中ジョッキ)五五〇円、ドライスナック三五〇円、サラダ三五〇円、ソーセージ四三〇円、パスタ四五〇円、アラカルト三八〇円、飲料四〇種、料理三〇種のメニューとなっている。

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