喫茶店はいま 私の喫茶店経営 コクテール堂・林道男社長

1992.04.06 1号 12面

ロースター(焙煎業者)であり、喫茶店経営をしているコクテール堂(東京都港区虎ノ門、03・3459・1777)の、林道男社長は、喫茶店経営について次のように語った。

「喫茶店経営で大事なことは、客がどのような気持であれ、ゆったりできる雰囲気が絶対必要。このために、店内の色は、重要なポイントである。また、コーヒーもただ抽出して出すというのではなく、店主がコーヒー豆にこだわりをもつということは大事である。やはり、店主が当店のコーヒーは他店とは違うという信念をもたなければ、客を引きつけることは出来ない。このため、いろいろなコーヒー豆、あるいは、ブレンドを納入してくれるロースターのセールスと十分に話し合うべきと思う。ただ、セールスのいいなりでは、絶対に店の発展はない。よく、口先では高品質のコーヒーというがコーヒー豆自体に、いろいろな特徴があり、それを上手に店のブレンドにすることが大事」。

「当社では、熟成二年ものを大事に焙煎して、店に出している。このため、コーヒーの在庫をかかえることになる。当然、コストもあがる。しかし、最終的に、良いコーヒーが客に提供でき、客がそのコーヒーに満足して、店にきてくれれば良いと思っている。価格は適正利益を受けるのは当然である。ただ一㎏で一〇〇人(一人当り一〇㌘)とれるところを、一五〇人分などとる喫茶店があると聞くが、やはりそれは邪道であり、客が来店しなくなるのは当り前であり、それをもって、喫茶店経営は苦しいというのは、自分で首をしめながら、苦しい苦しいとさわいでいるのと同じである」。

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