寿司に大衆化の波 「まんまる鮨」超高級「勘八」を大衆化
すし屋の「勘八」といえば知る人ぞ知る超高級店。客単価一万円を下らないが、創業の昭和32年ごろも同様の価格だったというから庶民にはなじみのない店。それが、38年に「おいしいすしを一般の人にも食べていただこう」と始めたのが「まんまる鮨」。
現在、(株)勘八は勘八を一二店、まんまる鮨を四店展開している。日比谷シティー店は日生劇場や宝塚、映画街が最寄にあり、女性をターゲットにした日比谷シャンテビル内に七年前にオープンした。
店内は黒を基調にカジュアルさの中にもモダンが漂うシックな雰囲気で、通常、すし屋の女性客は二割といわれるところを七割も占めている。女性が一人、カウンターで好みのにぎりを食べる光景も珍しくない。ネタは異なるものの、仕込み作業、板前は勘八と共通なため、勘八ブランドをリーズナブルに楽しめる。
マグロ、イカ、ハマチなどは一貫一二〇円。エビ、青柳、甘エビなどは同一八〇円。イクラ、タイ、数の子など同二六〇円。トロ、平目、ウニなどは同三二〇円と驚きのプライス。ほかに手巻(二〇〇~三八〇円)や一人前梅一三〇〇円~特撰二八〇〇円、ランチ一〇〇〇~一三〇〇円とバリエーションも充実。
2時からはすし会席四八〇〇円もある。特撰盛合せ二八〇〇円が売れ筋。平日約二〇〇人、土・日は約二五〇人が来店する。席数は四〇席。
「新鮮でおいしいすしを納得のプライスで」をモットーに、今年の6月一部価格を見直し、定食類を一〇%ほど値下げした。場所がら、OL、サラリーマンのほかに、観劇や映画を見に日比谷に来たついでによる客も多く、興行成績に売上げが左右される部分もあるが、この夏ごろから客足が戻ってきており、景気に明るさが見えつつある。
▽まんまる鮨日比谷シティー店、03・3593・3348