総点検-激震下の外食・飲食業 生ゴミ対策 ココスジャパン、残食でメニュー見直し

1995.11.20 89号 5面

(株)ココスジャパンは、九二年に各部署からメンバーを出してプロジェクトチーム(委員会)を組織し、月に一度定例会を持って、あらゆる角度から環境問題に取り組んだ。

部署ごとに“環境問題において何を行うか”を見いだすことを目的に問題点の発掘、その対策の実施のため調査主体のアクションプラン(行動計画)を立ててゴールイメージを描き、見事に成果を上げた。

委員会では店舗の環境実態調査を徹底して行い、建設部、用地開発部、商品部、運営部、人事部、総務部と各部署ごとに取り組む指示事項を出した結果、具体的に次のような結果が得られた。

〈廃棄物の減量化〉

▽レタス・パオ・大葉などの食材の包装形態の変更▽お客様残食研究を行い、残食の多いメニューは変更した▽段ボール箱の削減(プラスチック製の通い箱の活用)。

これら三つの取り組みによって全店舗のゴミが約一〇%削減された。

〈省資源・省エネなど〉

▽ワンタッチ蛇口、節水コマによる水の節約(水量調節およびトイレタンク排水量調節)。従来平均使用水量(一店舗当たり・月間)六〇〇tが一店舗当たり効果約一七%減で一〇二tの節約▽エアータオルによる紙の削減。従来の紙タオル使用量一万二〇〇〇枚(三七キログラム)をゼロにする▽電磁調理器による光熱費の削減(熱効率向上、空調負担減、調理時間短縮)。従来ガス・電気代五〇万円が一店舗当たり一六%減で八万円の節約▽省エネ電球による電気使用量の削減。従来電気使用量二万〇二二〇キロワットが一店舗当たり一〇%減となった▽厨房機器の電源スイッチON/OFF時刻調整による削減(厨房電気の通電時間を三〇分減)。従来電気使用量の一・一%削減。

問題提起からの活動事例としては▽ゴミ減量化機器のリサーチ▽ゴミ保管コンテナのバックヤード設置▽厨房内に分別ボックス設置▽配送用包材の見直し▽従業員啓蒙用ビデオの作成▽店長サイドのマニュフェスト制度講習会の実施などを行った。

この委員会は、一年間の活動を通じてチームのメンバーが、それぞれの担当部署において環境対策を推進する上で一人立ちしたことから一年で解散し、今日でも環境問題への取り組みは引き続き行われている。

この取り組みは、具体的な成果を上げるとともに、環境を考え、実践できる人材を育成したことの効果も大きい。

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