2019年2月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2019.05.06 483号 05面

 ●気温高く天候安定が下支え全体売上げ30ヵ月連続前年超え

 日本フードサービス協会は、2019年2月の外食産業市場動向調査を3月25日に発表しました。2月度前年同月比の状況は、全業態トータル売上高で101.9%と30ヵ月連続で前年を上回った。2月は、暖冬傾向で気温が高く、天候が比較的安定していたことも外食需要の下支えとなり、ファストフードを中心に導入が進んでいる宅配代行サービスやQR決済も、全体売上げへの効果はまだ限定的ではあるものの、売上げ伸長に寄与している。

 業態別対前年同月比の売上高では、ファストフードは客単価が102.0%と伸び、全体売上げは102.4%と前年を上回った。業種別では、洋風が期間限定商品やお得なランチセットなど好調で売上げ104.7%。和風は、引き続き定食メニューなどが好調で客単価上昇、売上げは100.3%となった。麺類は店舗数増とCM効果などにより、売上げは101.7%。持ち帰り米飯/回転寿司は、店舗数や客数減で売上げ99.2%と下回った。その他は、暖冬の中で「アイスクリーム」の再来店促進キャンペーンなど好調で、売上げは102.0%となった。

 ファミリーレストラン業態の全体売上げは、101.1%と前年を上回った。業種別では、「洋風」「和風」各社まちまちで、期間限定品・フェア品が堅調なところがある一方、集客が振るわなかったところもあり、売上げは洋風100.5%、和風99.6%となった。中華は、TV露出効果などで、売上げは104.1%。「焼き肉」は店舗増などで、売上げは101.9%と前年を上回った。パブ/居酒屋は、週末の需要が堅調に推移し、売上げは102.3%と前年を上回った。パブ・ビアホールは、客数が103.6%と伸び、売上げは104.0%。居酒屋は春節のインバウンド需要もあり、売上げ101.9%と上回った。ディナーレストラン業態は、鍋のお得なキャンペーンなどで集客堅調、売上げは101.9%。喫茶業態は、ドリンクメニューへのプレゼントキャンペーンやフードメニューの強化が奏功したところがあり、売上げは101.2%となった。

 2月は、天候安定していたが客数は意外と伸びなかった。野菜の価格は安値で推移しており、相対的に割高感が出る外食や中食から消費者の足が遠のいた。ファストフードでは6社中4社が増収だった。日本マクドナルドは103.3%の増収で39ヵ月連続の前年超えとなった。日本ケンタッキー・フライド・チキンは客数が大きく伸びて114.7%、すき家本部は103.0%、松屋フーズは100.7%と上回った。一方、吉野家は大きく客数を落とし売上げは92.6%と前年割れ、モスフードサービスも客数を落として売上げは96.0%と13ヵ月連続前年を下回った。

 ファミリーレストランは5社中3社が増収。ロイヤルホストは、客数・客単価とも伸び売上げ104.7%、すかいらーくは、ご当地麺キャンペーンなどが寄与して103.3%、セブン&アイ・フードシステムズも100.1%と増収。一方、ジョイフルは大きく客数を減らし97.2%、サイゼリヤも客数減を客単価アップでカバーできず98.5%と下回った。ラーメン・カレー・定食業態は7社中3社が増収。幸楽苑111.1%、壱番屋101.1%、王将フードサービスは100.1%と伸ばした。一方、リンガーハットは93.8%、ハイデイ日高は96.3%、トリドールは96.9%、大戸屋97.2%と下回った。

 焼き肉・回転寿司業態は7社中2社が増収。焼き肉は安楽亭92.7%、牛角・しゃぶしゃぶ温野菜などを展開するレインズインターナショナル96.3%、物語コーポレーション99.2%と3社とも減収。魚べいなどを運営する元気寿司は104.5%、スシローは104.1%と増収。一方、くらコーポレーション93.8%、カッパ・クリエイト98.0%と下回った。居酒屋は6社中3社が増収となった。鶏料理を主力とする「ミライザカ」などを展開するワタミは102.3%、テンアライドは100.6%、大庄100.3%と増収。一方、鳥貴族94.9%、チムニー97.6%、コロワイドが99.7%と前年を下回った。中食・宅配業態は3社中3社が前年を下回った。ロック・フィールド(RF1)は96.9%、コンビニエンスストアと厳しい競合が続く「ほっともっと」を展開するプレナスは99.2%、オリジン東秀が99.4%と3社前年を下回った。

 ●お問い合わせ:フードコンサルティング株式会社

 TEL 0422-24-6946

 http://www.food-consulting.jp/

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら