街で見つけた繁盛メニュー その発想に学べ!(14)刺身〆3種の和風カルパッチョ
熟成されたうま味と桜葉、ペッパー、山椒の風味が加わり、鮮魚の刺身とはひと味もふた味も違う!
2~3日置いて熟成させることでうま味が増し、風味がしっかり染みる
●風味を付けて熟成 塩締め、酢締めを風味でアレンジ
数年前にブームを巻き起こした「熟成肉」もすっかり定番化し、寿司チェーン店などでは「熟成魚」の魅力に着目する店が急増しています。そこで酢、塩で締める昔ながらの手法で刺身を熟成させるメニューの提案です。
といっても、ただの酢、ただの塩で締めるだけでは、面白くない。真ダイ、サーモン、真ダコそれぞれに風味を付けて寝かせ、和風カルパッチョに仕上げてみましょう。
●桜葉、ペッパー、山椒で熟成
真ダイは、桜の葉の塩漬けを巻きます。サーモンは、ピンクペッパーとピンク岩塩をまんべんなく振りかけ、ドリップシートを巻きます。こうすることで、余分な水分と生臭さが取り除かれ、ペッパーの風味がしっかり染みます。真ダコは、醸造酢に山椒を混ぜたものに漬け込みます。
これらを2~3日間ほど冷蔵庫に置き、しっとりと寝かせたら、薄切りにして皿に盛り、ネギ油をかけてスプラウトをあしらいます。カルパッチョというとオリーブ油をかけるのが一般的ですが、ネギ油を使うと中華風のうま味がプラスされ、ちょっと個性的なおいしさに仕上がります。酢、塩で締めて2~3日置いた刺身は、新鮮な刺身と比べてトロっとした口当りと複雑なうま味がある。桜葉の香りや、ピンクペッパーの刺激と風味、山椒の風味が合わさり、絶妙なおいしさです。
鮮魚を酢、塩で締める際、個性的な風味を添えて寝かせる手法は、桜葉、ペッパー、山椒だけでなく、発想次第でさまざまに応用できるはずです。
(飲食店プロデューサー 青島邦彰)