注目NEWS:主要外食企業3月既存店前年同月対比実績 コロナ自粛で業界震撼

2020.05.04 495号 15面

 ●ファストフード系は健闘、居酒屋・ディナー系に打撃 4月は外食史上未曾有の見込み

 主要外食上場企業の3月・既存店前年同月対比実績(売上高%)が出揃った。新型コロナウイルスの感染を懸念する外出自粛の影響を受けて、ほとんどの企業が大幅減収となった。テイクアウト比率の高いファストフードと商品特化した日常外食は健闘したが、「3密」を指摘された居酒屋とディナー系は、自粛ムードによる集客悪化に加え、3月特需の歓送迎会予約を失って大苦戦した。緊急事態宣言と休業要請が公示された4月以降、営業短縮と休業が本格化しており、4月実績は外食史上最悪の数字が見込まれる。

 収束の見通しが立たない中、一番の難題に挙げられているのが「店舗家賃」だ。中小店の場合、「空家賃を支払えるのは3ヵ月が限度」という声が多く、自粛要請が5月以降に長引くと閉店ラッシュが現実化する恐れがある。すでに家賃交渉が活発化しており、大手チェーンでは3ヵ月~半年の半額値下げを迫っているという話もあるが、好立地の家主は値下げに応じない強気の姿勢が目立つという。一方、郊外ロードサイドのリースバック店舗の場合、長期契約による借り手と家主の共同意識が根強い傾向もあり、大幅な値下げは珍しくないという。

 外食史上最大の危機がもたらす外食産業の行く末が注目されるところだ。

 ※各社HPのIR情報(月次発表)を基に作成。表記載の名称は企業名ではなく主要ストアブランド名など(弊紙抜粋)。マルチ(多種多業態)のみ会社名を記載。実績数字は小数点第2位以下四捨五入。既存店の定義は開業13ヵ月以上を原則に各社異なる。名称一部割愛、掲載順不同。

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