多忙でも読める外食ニュース

2020.09.07 499号 10面

 ●東京・新宿の公園内に複合施設開業

 東京・新宿の西口エリアに位置する新宿中央公園の芝生広場内に、飲食店やフィットネス施設などが入居する交流拠点施設「SHUKNOVA(シュクノバ)」がオープン。1階と2階にそれぞれテラスを設けた2階建ての建物には、すかいらーくグループの運営する「むさしの森Diner」と「スターバックス コーヒー」、ヨガやボルダリングなどができる「PARKERS TOKYO」という3店舗が出店する。施設名は、かつて新宿が宿場町であったことから名付けられたという。

 解説=同施設を運営するのは、都市再生機構(UR)の傘下でデベロッパー事業などを行う新都市ライフホールディングス。「むさしの森Diner」は、すかいらーくグループが展開する「むさしの森珈琲」の新業態1号店だ。

 ●コロナ禍の四半期決算、各社の状況に明暗

 7月から8月にかけて外食チェーン各社の四半期決算が公表された。売上高が前年同期比で約40%減となったロイヤルホールディングスや同24.8%減の吉野家ホールディングス、54億円以上の事業損失を計上したコロワイドなど、新型コロナウイルスの影響が大きな影を落とす。一方、テイクアウトやドライブスルーなどの利用が増加したことで、日本マクドナルドホールディングス5.7%増、日本KFCホールディングスは21.2%増と前年同期より増収増益となっている。

 解説=コロワイドは約155店舗を閉店、また吉野家HDは今後最大150店舗の撤退を発表、クリエイト・レストランツ・ホールディングスは傘下の事業会社を統合再編するなど、コロナ禍により各社は苦戦を強いられている。

 ●「丸亀製麺」がタイのFC法人に対して訴訟

 トリドールホールディングスが、タイで「丸亀製麺」をフランチャイズ出店していたタイの法人に対して訴訟を起こした。同社は2011年にタイのNodu Foods社とフランチャイズ契約を締結し、バンコクで「丸亀製麺」を出店。13年にはNodu社に40%の出資を行い、店舗運営にも参画した。しかし、今年7月に同社はNodu社とのフランチャイズ契約はすでに終了したと発表。その後、Nodu社の親会社であるB MTH LTD.に対して約5億3500万円の貸金返還請求の訴訟を提起したと公表した。

 解説=Nodu社は、トリドール社がフランチャイズ契約の終了を告知した後も同店舗の営業を続けたということで、この訴訟は単に貸金に関するものではなく、フランチャイズ契約に関わる係争に発展する可能性もありそうだ。

 ●グローバルダイニング、銀座の大型店を閉店

 グローバルダイニングは、2003年に開業した東京・銀座の複合施設「g-Zone銀座」を閉店した。同施設は、「カフェ ラ・ボエム」「ゼストキャンティーナ」「モンスーンカフェ」「権八&SUSHI権八」「デカダンス ドュ ショコラ 銀座本店」という同社の主力ブランド5店舗が集合した大型店舗。19年はインバウンド需要も取り込んで年商10億円を売り上げていた。撤退店のうち、ブランドの旗艦店であった「デカダンス ドュ ショコラ」は、茗荷谷のファクトリー店舗に移設されている。

 解説=同施設は2008年のリーマンショック以降、業績が低迷。そこに新型コロナウイルスが追い打ちとなった。営業再開後も売上げが回復せず、デベロッパーとの賃料条件の交渉で折り合いがつかなかったため、閉店に至ったという。

 ●福島の「温野菜」で爆発事故、1人死亡

 レインズインターナショナルのフランチャイズ加盟企業の店舗「温野菜 郡山新さくら通り店」(福島県郡山市)で大規模な爆発事故が発生した。同店舗は事故当時、改装工事中で営業は行っておらず、報道によれば、店舗で使用していたプロパンガスのボンベから店内にガスが漏れていた可能性があるという。周辺の広範囲にわたって建物が破損するなどの被害があり、工事関係者1人が死亡、近隣の住民などが重軽傷を負ったとのこと。同社はホームページに被害状況の受付窓口を開設している。

 解説=親会社であるコロワイドは原因の究明に最大限協力すると発表している。該当店舗は直営店ではなくフランチャイズ加盟企業の店舗であり、改装工事中であるなど、責任の所在が難しいケースであると考えられる。

 ●南国酒家が日本の食材を使った新業態

 中国料理の老舗である「南国酒家」が、新業態「南国酒家47china」を東京駅のエキナカ商業施設「グランスタ東京」の新エリアに出店。同店は、日本全国47都道府県の食材や調味料などを中華料理の調理法で提供するコンセプト。

 ●ゼットンがハワイの人気店を国内出店

 DDホールディングス傘下のゼットンは、同社が米国ハワイで運営するオールデイ・ダイニング業態「ヘブンリー アイランド ライフスタイル」を東京・代官山に出店。大きなテラス席のある開放的な店舗。

 ●ブルーボトルが自販機で商品を販売

 ブルーボトルコーヒージャパンが、コーヒー豆や水出し缶コーヒーなどを販売する同ブランド専用のキャッシュレス自動販売機を東京・渋谷のコインパーキング内に設置。同パーキングは三井不動産リアルティが展開する「三井のリパーク」。

 ●ラーメン店の代名詞「來々軒」ラ博で復活

 日本で初めてラーメン店というスタイルを生み出した東京・浅草の「來々軒」が、「新横浜ラーメン博物館」に復活オープンする。同店は1910年の創業で、70年代の半ばに閉店した。今回は創業者の子孫などが協力し、当時のメニューなどを復刻するという。

 ●「CoCo壱番屋」本場インドに初出店

 壱番屋が、インドのハリヤナ州に「カレーハウス CoCo壱番屋」を初出店。インドでも日本式のカレーライスを提供する。同社はアジアを中心に、すでに海外180店舗以上を展開している。新型コロナウイルスの影響で春の開業予定が夏にずれ込んだ。

 ●「COEDO」が醸造所併設レストラン

 協同商事のクラフトビールブランド「COEDO」を冠したブルワリー・レストラン「コエドブルワリー・ザ・レストラン」が埼玉・川越の駅前複合施設「U-PLACE」に出店。施設の1階に位置する、醸造所を併設した中華料理ベースのレストラン。

 ●大戸屋がオイシックス社と提携

 大戸屋ホールディングスが、食品宅配サービスの大手であるオイシックス・ラ・大地と業務提携契約を締結。大戸屋の人気メニューを生かした惣菜・弁当などを両社の顧客に向けて販売するほか、大戸屋店舗でのコラボメニューの提供などを行う予定。

 ●ワコールが話題のベーカリーとコラボ

 インナーウエアのワコールが展開する宿泊施設「京の温所」に、ベーカリー&カフェを併設した施設がオープン。京町家をリノベーションした同ブランドの8軒目。ベーカリー&カフェは、「パンとエスプレッソと」で知られる「日と々と」の新ブランド「本日の」が入居する。

 ●麦の穂ホットドッグ新ブランド開発

 食物販と飲食の多ブランド展開を進めている麦の穂が、デリバリーホットドッグの新業態「DOG HOLIC(ドッグホリック)」を出店。ホットドッグにミニサラダとポテト、オニオンリングがセットになったボックスなどを宅配する。東京に続き、大阪に2号店をオープン。

 ●サイゼリヤが食事用マスクを提案

 サイゼリヤが、店舗の紙ナフキンを使用して食事用のマスクを作る方法を公式動画などで公開。この方法により、利用客は自分のマスクと紙ナフキンで口元を覆ったまま食事ができる。同社はこれに「しゃべれるくん」という名称を付け、外食時に利用するように提案している。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

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