メニュートレンド:卵ファイヤー! 燃え上がっておいしさUP「炎のだしまき」

2021.04.05 506号 01面
写真1 炎のだしまき 580円(税込み)

写真1 炎のだしまき 580円(税込み)

店開業に当たって、近隣に新聞の号外風の楽しいチラシを配布したという

店開業に当たって、近隣に新聞の号外風の楽しいチラシを配布したという

お客の前でだし汁をかけ、素早く火を付ける

お客の前でだし汁をかけ、素早く火を付ける

店スタッフをモデルにした神話をイメージする絵柄が壁に描かれていて、楽しく温かい雰囲気

店スタッフをモデルにした神話をイメージする絵柄が壁に描かれていて、楽しく温かい雰囲気

 ホッとするおばんざいと長井漁港から毎日仕入れる鮮魚を使った海鮮料理がウリの創作居酒屋「鶴まる迎賓館」は、一見するとどこにでもあるお料理自慢の“なごみ系”居酒屋だが、同店の名物料理が突き抜けている。何とだし巻き卵が炎を立てて燃え上がっているのだ。この「炎のだしまき」はテーブル客の8割が注文するという、同店一番人気のメニューだ。

 フランベする定番料理は複数あるが、燃えるだし巻き卵というのは画期的だ。この「炎のだしまき」は、「鶴まる迎賓館」創業以来の名物メニュー。店の開業に当たり、同品の写真をトップ記事にした新聞の号外風チラシを近隣に配ったところ反響は大きく、「オープン直後から炎のだしまき目当てに、お客さんが来店してくださった」と、藤原薫店長は言う。

 日本料理店で修業を積んだ藤本拓満料理長が作る王道のだし巻き卵を、コンロで熱した鉄皿に盛り、席に運んでからだし汁をかけて火を付ける趣向だ。だし汁にはスピリタスが入っており、程よく燃え上がる。熱々の鉄皿に汁を注ぐとジュワーッと音を立て、だしのよい香りが立つのもうれしい。

 だし汁をかけたら、素早く、そっと火を付けるのがコツで、「だし汁が流れてから火を付けてしまうと、炎が広がって危ないから気をつけています」と、藤原店長は苦笑する。

 スピリタス入りのだし汁をかけて火を付けるのは、演出の奇抜さだけではなく、味のブラッシュアップにもなっている。炎でアルコールを飛ばしただし汁がだし巻き卵にしっとりと染みていっそう味わい深く、食べ終わるまで熱々というのもいい。

 藤本料理長いわく、「鉄皿にジュワーッと汁が煮立ったり、グツグツとしている様子は誰しも、やっぱり食欲をそそるでしょう(笑)」。同店では、アサリの酒蒸しやモツ煮込みなども熱した鉄皿で提供しており、目の前でぐつぐつと煮立つシズル感や最後まで熱々で食べられる点、何よりわくわくする魅力があり、いずれの料理もお客にはすこぶる好評だという。

 ●店舗情報

 「鶴まる迎賓館」 経営=S.S合同会社/店鋪所在地=横浜市鶴見区鶴見中央4-22-6/開業=2020年5月/坪数・席数=31坪・50席/営業時間=18時~24時、土・日14時~24時。無休/平均客単価=3000~3500円/1日平均集客数=5組(※時短営業期間中)

 ●愛用食材・資材

 「スピリタス(ウオッカ)」 輸入者=ミリオン商事(東京都江東区)

 純度が高く雑味がない

 アルコール分96度のポーランド産ウオッカ。「炎のだしまき」に注ぐだし汁に加え、炎をつくっている。「純度が高く、だしの味を邪魔しない点が気に入りました。よい具合に炎が上がり、さっと消えるので使いやすい。燃え上がる演出の料理には向いてますよ」と、藤本料理長は話す。

 規格=500ml

 【写真説明】

 写真1:コンロで熱した鉄皿にだし巻き卵をのせ、だし汁4にスピリタス(ウオッカ)1を加えた汁をかけて火を付ける。濃いめに作っただし汁がしっとりと染みた熱々のだし巻き卵は、味の面でも従来のだし巻き卵を超越している

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