アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:22年向けのランドセル
セイバン「天使のはね」の「モデルロイヤルクリスタル」のシャーベットミントカラー
●カラーで個性、ジェンダーレス商品も
22年度入学用ランドセルは例年よりも遅れての商戦スタートですが、堅調な商戦になりそうです。少子化や電子教材へのシフトが続いていますが、教材が増え、水筒も必携となっているからです。
大容量化で「大マチ幅(主室の幅)が3年前と比べて2.5~3cmも増え、強度も必要な一方、軽さも求められます。今年はタブレット端末を収納できるサイズが標準になり、タブレットやモバイルバッテリーの収納ポケットを備える商品も登場しています。ジェンダーレスな商品も出始めました。
全体にカラー提案が重視され、セイバンは「天使のはね」でクリスタルガラスをあしらった上品な華やかさが特徴の女児向け「モデルロイヤルクリスタル」、中でもシャーベットミント(淡い水色)が人気のようです(税込み6万9300円)。池田地球は「地球NASAランドセル」の男児向けでマチの部分を2配色にした「バイカラー」(同6万1600円)が好調です。
革製では土屋鞄製造所が性別にとらわれないカラーを目指して開発した新シリーズ「レコ」(同7万9000円)が好調です。受注開始から3ヵ月間で、販売している上位5位のうち4製品を占めました。鮮やかな原色系ではないジェンダーレスなベーシックカラーを採用し、色が引き立つように背当てや内装は同系色に揃え、モダンでシックに仕上げました。カタログやオンラインサイトでも性別の案内はしていません。ピスタチオやラベンダーなど自然に着想して色表現した「プレミアムカラー」シリーズも人気です。
(繊研新聞 取締役編集局長 矢野剛)