多忙でも読める外食ニュース
●ワタミ「から揚げの天才」、中国本土への出店再開
ワタミは、現在の主力ブランドである「から揚げの天才」を中国・上海の商業施設内に出店し、中国本土での店舗展開を再スタートする。海外事業を担当するグループ会社を通じて、現地の大手外食企業である国際天食集団とマスターフランチャイズ契約を締結。「から揚げの天才」は国内でフランチャイズ加盟が拡大しており、100店舗を達成したばかり。今回の上海店は同ブランドの海外1号店となるが、イートイン客席を持つ飲食店としての出店となった。
解説=同社は2005年から中国本土に進出していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、20年春に「和民」ブランドの全店を中国本土から撤退した。同社は現在、海外8エリアに50店舗ほどを展開している。
●英のデリカ&レストラン、「リナストアズ」日本初出店
英国・ロンドンでイタリアンのデリカテッセン&レストランとして人気の高い「リナストアズ」が、東京・表参道にオープン。同店は1944年にロンドンのソーホー地区で創業し、現在はロンドン市内にデリカテッセンとレストランを3店舗構える。今回の日本出店は英国外で初の旗艦店という位置付けであり、レストラン部分だけで店内に80席超、テラス席を入れると100席を超える大型店となる。日本での運営は、高島屋のグループ会社であるアール・ティー・コーポレーション。
解説=アール・ティー・コーポレーションは、高島屋の大食堂の運営からスタートした外食企業。現在は「鼎泰豊」や「糖朝」「フォション」などのブランドや飲食施設の受託運営など、全国でおよそ100店舗を運営している。
●鳥貴族が新業態、チキンバーガー出店
焼き鳥チェーン大手の鳥貴族ホールディングスが、新設した事業会社を通じてチキンバーガーの新業態「トリキバーガー」をオープン。国産にこだわったメニューが特徴で、同社が得意とする鶏肉をはじめ、バンズの小麦粉や野菜、ソース類などにも国産の食材を使用している。昨年からのコロナ禍で大きな影響を受けた同社が、夜間営業や酒類販売の制限に影響されない新たな業態として開発。1号店は東京・品川区の大井町駅前に出店し、今後3年で10~20店舗の展開を目指すという。
解説=「トリキバーガー」は国産食材100%をうたっているが、これは法令により「国産基準」を満たしている生鮮食材や、最終加工国が日本である加工食品を指す。外食大手の間では、今後第2のバーガー戦争が始まる様相だ。
●欧州「コスタコーヒー」、テイクアウト店を開店
コカ・コーラが展開する欧州のコーヒーブランド「コスタコーヒー」のテイクアウト専門店が、東京・原宿の駅前にオープン。バリスタが入れる本格的なコーヒーをモバイルオーダーなども活用して販売する。同ブランドは1971年に英国・ロンドンで誕生。英国をはじめ41ヵ国に3800店舗以上のカフェを出店する人気ブランド。日本では昨年春から、マシン販売やキッチンカー、ポップアップストアなどで展開してきたが、今回、JR系企業が独自のカフェ店舗を出店した。
解説=「コスタコーヒー」は2019年に米国コカ・コーラが買収し、パッケージ商品などを含めて幅広く展開している。日本では今年4月にペットボトル入りコーヒーを発売したが、予想を超えた人気で一時出荷停止となった。
●商業施設で飲食のサブスク導入
都市部の商業施設で飲食テナントのサブスクリプションサービスを導入する動きが広がっている。三井不動産は同社グループが運営する「COREDO日本橋」や「COREDO室町」などの施設で、大阪ではJR西日本系のファッションビル「ルクア大阪」で、それぞれ定額を支払うことで特典などが得られるサービスがスタートした。「ルクア大阪」では、月額500円で参加する23店舗のサービスが毎日1回利用できる。三井不動産系では店舗により金額と特典が異なる仕組みだ。
解説=定期的に定額を支払うことでサービスを受けられるサブスクリプション方式は、さまざまな分野に広がっている。外食分野ではまだ成功モデルが生まれたとはいえないが、毎日利用する低価格な飲食店などで試行錯誤が続く。
●ゼットン、米国にてコロナ助成金獲得
「アロハテーブル」などを展開するゼットンが、米国子会社を通じてコロナ危機に対応する米国のレストラン活性化基金から助成金を獲得したと発表。助成金の額は日本円にして約9億円。同社はハワイに6店舗を展開している。
●ミスドが店内窯焼きピッツァの新商品
「ミスタードーナツ」は、店内で生地から成型する窯焼きピッツァの新商品「ミスド ピッツァ」を発売。5種類のメニューがあり、テイクアウトにも対応。サイズ違いも用意する。導入の店舗は13店舗からスタート。
●「ベーグル&ベーグル」が新宿ミロードに旗艦店
アルテゴが展開する「ベーグル&ベーグル」は、東京・新宿駅に隣接する小田急グループの商業施設「新宿ミロード」に旗艦店と位置付ける「ベーグル&ベーグルトーキョー」を出店。同ブランドのメニューを統合したセルフオーダーのカフェ。
●「サブウェイ」がテイクアウト専門店
日本サブウェイが、テイクアウトのみの新しい小型店舗を神奈川・川崎の商業施設「グランツリー武蔵小杉」に出店。通路に面した販売カウンターの後ろ側に製造ラインがある6坪の店舗で、注文後に会計を済ませてから商品を待つスタイルとなる。
●「がブリチキン。」のブルームD社長交代
居酒屋・バル業態の「がブリチキン。」などを展開する名古屋のブルームダイニングサービスは、創業者の加藤弘康氏が代表権のない取締役会長Founderに退き、専務取締役であった杉村明紀氏が新たな代表取締役社長に就く人事を発表した。
●麦の穂、和風のシュークリーム新業態
シュークリームの「ビアードパパ」を展開する麦の穂が、和風シュークリームの新業態「髭乃助」を東京・新宿の商業施設に出店した。「抹茶」や「和三盆」「きな粉」「黒糖」など、和の風味や食材を生かした新しいシュークリームをラインアップしている。
●「かっぱ寿司」社長を「はま寿司」が告訴
「かっぱ寿司」のカッパ・クリエイト社長である田邊公己氏が、はま寿司から不正競争防止法に関わる告訴がなされたと同社が公表。田邊氏が前職のゼンショーホールディングス関係者から、「はま寿司」の日次売上げデータなどを受け取ったというもの。
●焼肉「ふたご」が新FCビジネス展開
「大阪焼肉・ホルモン ふたご」を展開するFTG Companyと店舗流通ネットが提携し、新しいフランチャイズビジネスをスタートする。店舗流通ネットが初期投資の一部を負担、店舗の運営はFTG Companyが行うという方式。
●「スシロー/京樽」のダブルブランド店開店
FOOD&LIFE CAMPANIES(旧スシローグローバルホールディングス)が、「京樽」と「スシロー」のダブルブランドを冠したテイクアウト店舗を4店舗同時にオープン。東京と千葉で既存の「京樽」店舗などをリニューアルし、シナジー効果を狙う。
●飯田橋駅に東急ストア、グローサラント新業態
東京・千代田区のJR飯田橋駅に直結した商業施設「エキュートエディション飯田橋」に、東急ストアがグローサラント型の新業態「プレッセ飯田橋デリマーケット」を出店。さまざまなデリメニューに加え、猿田彦珈琲のコーヒー、クラフトビールなども取り揃える。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/